ブルー夢小説・現代学園パロディ
「あの日の記憶(夢主とブルー、出会い編)」
「はあ……」
今日も何度目かわからない学校説明会へと足を運ぶ。今日は友人に誘われた高校だ。生徒の自主性を重んじている自由な校風がウリだという。確かに、夢に向かって頑張る彼女にはうってつけの学校だろう。
……だけど、やりたい事など全く分からない私には、どこか別の世界の話にしか思えなかった。
それに、学校なんてどこに行っても同じでしょ? まあ有名な学校に通えば違うのだろうけど、あいにく私にそんな頭脳はない。
そんな風に半ば投げやりな気持ちで、体育館で説明会が始まるまで適当にウロウロしていた。
「……ここ、何?」
そして校内案内図などロクに見ずにふらふらしていると、目の前に突然和風の建物が現れた。学校にある和風の建物……剣道とか柔道の道場だろうか? けれど、見たところ入り口らしきものはない。ちょっと気になって、その向こう側に回り込もうとした時「タンっ!」という小気味良い音が聞こえた。
「何の音……?」
不思議な音に誘われるように、反対側にやってきた時——私は目の前の光景に釘付けとなった。
流れる水のような所作で、大きな弓を引く男の人がいた。極限まで引いたところでぴたりと動きを止め、周囲の空気が張り詰められていく。一瞬とも永遠とも言えるその時間は、弓から矢が放たれた事で終わりを告げた。そしてその矢は、まるで吸い込まれるように的へと刺さっていく。
そうして彼は、再び美しい所作で礼をし、道場を後にした。
「……」
どこの学校に行っても同じでしょ、と思っていたちょっとの自分を殴りたい。そんなことは絶対ない。だって、私は思ってしまったのだ。——絶対に、この高校に入学してあの先輩の隣に立ちたい、と。
秋桜お題bot@cosmosnoより
「あの日の記憶」
「はあ……」
今日も何度目かわからない学校説明会へと足を運ぶ。今日は友人に誘われた高校だ。生徒の自主性を重んじている自由な校風がウリだという。確かに、夢に向かって頑張る彼女にはうってつけの学校だろう。
……だけど、やりたい事など全く分からない私には、どこか別の世界の話にしか思えなかった。
それに、学校なんてどこに行っても同じでしょ? まあ有名な学校に通えば違うのだろうけど、あいにく私にそんな頭脳はない。
そんな風に半ば投げやりな気持ちで、体育館で説明会が始まるまで適当にウロウロしていた。
「……ここ、何?」
そして校内案内図などロクに見ずにふらふらしていると、目の前に突然和風の建物が現れた。学校にある和風の建物……剣道とか柔道の道場だろうか? けれど、見たところ入り口らしきものはない。ちょっと気になって、その向こう側に回り込もうとした時「タンっ!」という小気味良い音が聞こえた。
「何の音……?」
不思議な音に誘われるように、反対側にやってきた時——私は目の前の光景に釘付けとなった。
流れる水のような所作で、大きな弓を引く男の人がいた。極限まで引いたところでぴたりと動きを止め、周囲の空気が張り詰められていく。一瞬とも永遠とも言えるその時間は、弓から矢が放たれた事で終わりを告げた。そしてその矢は、まるで吸い込まれるように的へと刺さっていく。
そうして彼は、再び美しい所作で礼をし、道場を後にした。
「……」
どこの学校に行っても同じでしょ、と思っていたちょっとの自分を殴りたい。そんなことは絶対ない。だって、私は思ってしまったのだ。——絶対に、この高校に入学してあの先輩の隣に立ちたい、と。
秋桜お題bot@cosmosnoより
「あの日の記憶」