エンサガ

 家臣を率いて魔物討伐に東奔西走する日々が続く。けれど戦いの終わりは見えず、兵たちは疲弊していき、軍の士気は下がるばかり。そんなときだった。私の娘が生まれたのは。幼い命を抱いたあの瞬間のことは今でも覚えている
 ーーこの子のために平和な世界を作ろう、そう決意したのだから。


「その日からきみが"すべて"になった」
確かに恋だったbot@utisloveより



 刻一刻とせまる世界の危機に足掻いてみれど、それを嘲笑うかのような結末を迎えるばかり。だが、私はやめない。それが今の私に出来るたった一つの事なのだから。

「ただ過ぎていく日々に背中を向けることしかできずにいる」
@kb_324より



「皇帝さん、セルマのこともっと褒めてあげればいいのに〜」
 遂に部下から言われてしまった。だが、どう褒めていいのか分からず今日もまた私は「よくやった」の一言と、愛娘の頭を撫でることしかできなかった。

「この愛おしさを言葉になんて出来ないから だから今はただ抱きしめさせて」
@kb_324より



 私は父上から手放しに褒められた記憶はない。だけど「よくやった」と言いながら私の頭を撫でる武骨なその手に、言葉に出来なかったその思いが込められているのは、私だけの秘密なのだ。

「(大事なことはね、言葉にしちゃいけないのよ)(でもして欲しいときだってあるよ)」
@blwisperより



「……ふう」
 今日の仕事がようやく終わった。昼間からずっと同じ姿勢でいたせいか身体中が悲鳴を上げている。早く寝ようと夜着に着替え、寝室のベッドへ入り込もうとした瞬間、そこには可愛い先客がいた。「セルマ」
「ちちうえ……おやすみのきす……」
 一瞬起きたのかと思ったが、目を瞑ったままむにゃむにゃと寝言を言っているだけだった。セルマを起こさないようそっと横抱きにし、部屋の寝床まで連れてゆく。
部屋で待機していたセルマのお付きの侍女にはそんな事だろうと思っていました、と笑いながら言われてしまった。
「おやすみ、セルマ。また明日」
  そして私は愛しい娘の額にキスをした。

「愛しい人の居るところ」
@GHQkitakubuより



 ぎんいろの皇帝は幼き娘に全てを託して亡くなりました。しかしその魂は理から外れ、常に娘の傍らにいることを選びました。
 その存在が記憶から葬られようとも、彼は皇帝の責務を果たそうとする娘を地上で見守りたかったのです。

「星屑、水葬、白銀」
@0daib0t



 ああ、どうして。なぜ、世界を平和にするために戦ってきた父上を殺さねばならぬのですか。なぜ、誰よりも傷付いた父上が死なねばならぬのですか。
 理屈は分かっても、私の心がそれを否定する。
 だって、また、来年も城下の祭りを見に行こうと約束したではありませんか!

「さよなら私の一番星」
淡野かづき@awano_より



 夢を見た。父上と手を繋いでアバロンの町を歩いた夢を。帰り道、はしゃぎ疲れたあたしを背負ってくれた。ただそれが嬉しくて、いつまでもこうしていたいと思った。……ああ、どうして。どうして貴方はいないの、父上。

「抱きつきたい、あの大きな背中に飛びついて眠りたい」
@kb_324より



 私には足りないものが沢山ある。だけど足りない私を皆が支えてくれる。
「貴女のお父様もそうでした。我等が支えていたのですよ」
「そうそう! 皇帝さんってばいっつも無茶ばっかりしてたんだから!」
 父上を慕う魔術士と盗賊は顔を見合わせ懐かしそうに微笑んだ。

「骨組みだけの王冠」
@j_on_mより



「……こんな状況、逃げたって誰も文句なんか言わねえよ」
 俺がボヤけば少女は笑って首を振る。
「私は皇帝だもの。そんな事は出来ない」
 だったらそんな泣きそうな顔で笑うんじゃねえよ。

「小さな掌に支えきれない重荷を乗せて それでどうして笑っていられる」
@kb_324より



「私はもう、子どもじゃないぞ!」
「ハッ! まだまだガキだな!」
「何だと! あ、こら! 頭を撫でるな! 髪が乱れるだろう!!」
「なんていうか……」
「どっちもどっちね」

「子供扱いされたくない」
@garanbotより



 幼き女帝は祖父と父の意志を継ぎ、立ち止まる事なく家臣を率いて今日も征く。破壊するものの復活はすぐそこに。希望の灯火を絶やしてはならないのだから。

「進め、進め、」
@garanbotより



 心は置いてきた、と彼の人はいう。その置いてきた心が私の心に空いてしまった穴なのだろうか。そうして貴方は心を置き去りにしたまま、現れた時と同じように忽然と私の目の前から消えてしまった。まだ私は貴方のことを何も知らないというのに。

「触れ合えぬ吐息」
@j_on_m より



 貴方が救える世界があるならば、あらゆる手段を使って実現させてみせましょう。私はそのために生きてきた。こんなことを言ったらきっと貴方は怒るでしょうね。
 ――けれど、私に命を絶たせた貴方が悪いんですよ、父上。

「時間差なんて飛び越えろ」
@blwisperより



 父を殺した私は惨たらしい死に方をするのだろうと思っていた。でも、私の死に方は思ったよりも呆気ないもので。それが何だか私らしいと思ってしまったのだから不思議だ。破壊するものはきっと、皇帝を継いだ彼女が倒してくれる。
 ーーああでも、この目で平和になったこの世界を見れないのは心残りかなあ。

「例えば私が死ぬ瞬間」
お題bot@GHQ!!@GHQkitakubuより



 私にできることはただ一つ。彼らが混沌の世界で生きぬいたことを証明する為に謳うこと。白銀を纏いし皇帝たちが、その命を投げうって世界の崩壊を止めようと抗い続けた事を謳うこと。
 戦い続けた戦士たちよ、今安らかに眠りたまえ。

「謳い上げた悲哀」
@blwisperより



「父上! おはようございます!」
 鈴を転がすような可愛らしい声にハッと目が覚める。最初に飛び込んできたのは愛しい娘の笑顔だった。
「ああ、おはよう。セルマ」
 そして私は彼女の額に自分の額をくっつける。セルマはまた嬉しそうに笑うものだから、私もつられて笑うのだった。

「おでこをコツン」
お題bot@GHQ!!@GHQkitakubu



 いつの間にか共に真の楽園を目指すことになり、やがて彼女の事を知っていった。神すら超越した彼女の相手は、きっと俺にしか勤まらない。
「おい、トウジ! 呼ばれたらすぐ返事をしろ!」
「ああ、すまない」
 さて、彼女が本気で怒らない内にどうにかしなくては。

「愛する覚悟はよろしいか?」
お題bot@GHQ!!@GHQkitakubu




 それは、あらゆる皇帝たちの記憶。儚くも美しい、彼らが紡いだ素晴らしい叙事詩の数々。
その幕が今日、下ろされた。
 だが、記録から消えようとも彼らの記憶は人々から消えはしない。
記憶は語り継がれ、やがて物語となるのだから。
 ーーさて、どの皇帝の話から始めようか。
「いつかくると分かっていた別れが、ただ今日訪れただけで。悲しむ理由なんて一つもないわけで。」
確かに恋だったbot@utislove



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