インサガec・ロマサRS

【ロマサガRS】乱れ雪月花【ジュウベイとゲンさん】

 ここにいるほとんどの者は、イカヅチと共に別の世界から来た、いわゆる異世界人ばかりだった。だが、不思議なことに共通点はあった。使う武具、術、魔物、そして——技の名前。

 クラウド・レルムを襲うモンスター退治。だが、今日遭遇したモンスターはなかなかの手強さだった。皆が決定打を思うように与えられず、徐々に疲労が蓄積していく。それでも、街の方へは行かせまいと武器を構えて技を放っていく。
 そんな中、隣にいたジュウベイと名乗った男が敵を見据え刀を正眼に構えた。するとジュウベイの周囲が突如として冷気を帯びていく。やがてそれは仲間である俺たちの方にまで及んだ。まるで水面に広がる波紋のように。
 そして、その目をカッと見開くと、刀を振り下ろし叫んだ。

「乱れ雪月花!!」

 ——乱れ雪月花

 それは、俺の生まれ故郷であるワカツに伝わる奥義の名前。
「まさか、こんな異国の地で見ることになるとは……」
 モンスターは、ジュウベイの美しく強い流麗な剣技により絶命した。俺が驚いていると、刀を鞘に納めたジュウベイが俺に話かけてくる。
「ゲン殿はやはり知っていらっしゃいましたか」
「なんで、そう思った?」
「同じく刀と呼ばれる剣を持つ者、のカンでしょうか」
「……そうか。だが俺のところのは、三つの技を連携させるんだ。一人では放てない」
「なんと! 同じ技でも違うのですね。もしよければご教授願いたく……!」
「あー、あと二人、俺んとこ出身のやつが……街に戻りゃ誰かいるか」
「ふふ、戻る楽しみが増えましたな」
 俺とジュウベイは街へ戻る道すがら、お互いの世界の刀と剣技についてしばらく盛り上がったのだった。
【終】
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