サガフロ


【時の君と麒麟】プラチナエンドロールを迎えるために【リマスター】

「なるほど、貴方が時術の資質を持つ者ですか」
「では、貴方が空術の資質を」
 IRPOという組織に所属する人間——ヒューズにお互い無理矢理連れてこられたことで、初めて相対する資質を持つ者と出会うことになるとは、世の中わからないものである。話を聞けばお互い自分が創り出した領域に引き篭もって生活していたのだ。感知できるはずもない。
 さて、己が他人と最後に話したのはいつだったか。そんなことを思いながらぽつりぽつりと話をする。対して麒麟と呼ばれる彼はとても饒舌で、身寄りのない幼い子らを自分の空間に招き入れて育てていると話してくれた。子どもと話しているからだろうか、聞いていて不快ではなかった。
「この件が落ち着いたらそちらのリージョンにお邪魔しても?」
「……ああ、別に構わないが……正直、見るものなど何もないぞ?」
「おや、それは私が決めることですよ時の君」
「それもそうだな。では、貴方さえ良ければ」
 そんな話していると、再び外が何やら騒がしくなる。
「何ぃ! ブルーとルージュが!?」
 バタバタと忙しない足音が響いていく。そしてこの部屋の前で足音が止まったと思ったらドアが勢いよく開かれた。
「よう、お二人さん! 悪いがちっとばっかし手を貸してもらうぜ!」
 そして私たちはどちらかともなく顔を見合わせる。
「約束、忘れないで下さいよ?」
「もちろんだ。その時には盛大にもてなそう」
「おい、なんの話だ?」
「いいじゃないですか。それより、急いでいるんでしょう? 我々はいつでも行けますよ」
「助かる! それじゃ行くぞ!!」
 そうして、ヒューズという男は自分たちを連れ去った時のように強引に引っ張り、リージョンシップと呼ばれる乗り物に押しこんできた。
 ……こんな目まぐるしく過ごすことがかつてあっただろうか。だが、悪くはない。もしもまた何かあれば手を貸してやっていい、そんなことすら考えていた。


【終】

「プラチナエンドロールを迎えるために」
Cock Ro:binお題配布bot
@CockRobin_botより
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