歌恋想

──ダァンッ!!

銀糸の少年がドアを開け放つ。何とも言えぬ焦燥に駆られ、彼は部屋の中にいるはずの彼の人を探す。

「!!」

少年は床に倒れている人影に気付き急いで駆け寄り姿を見た。それは銀糸の少年が探している彼の人だった。

「青柳、青柳!しっかりして!青柳!!」

抱き起こし、銀糸の少年は彼の人の名を何度も叫んだ。
暫くの後うっすらと目を開いた彼の人は、途切れ途切れに銀糸の少年に言葉を紡いだ。
やがて言葉の途中で彼の人は瞳を閉じ、二度とその瞳が開かれることはなかった…。




「青柳!紫苑!!」

銀糸を束ねた青年が部屋の中へと駆け込む。
そこには青年に背を向け佇む銀糸の少年と、銀糸の少年に抱かれる友の姿があった。

「紫苑、一体何があったんだ!紫苑!!」

青年が言葉をかけるも、銀糸の少年は一言も発さない。

やがて聞こえた銀糸の少年の声に、生きる気力などはなかった。

「……守れなかった……」

銀糸の少年の瞳に、暗い影が宿っていた───。
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