歌恋想

──古き伝承に曰く。

嘗てこの地は、心悪しき妖にて乱れたという。

その妖は己の欲と怨みの儘に人々を殺し、この地に住む人々を恐怖の底へ陥れた。

ある時、東の島国からの旅の者達が現れ、その稀有な力で妖を圧倒した。

ある者、浄衣を纏しは法力に秀で

ある者、金鈷を首に纏しは剣と体術、妖術に秀で

ある者達、紅き髪を纏し兄弟は矛と弓とに秀でていた。

最後に妖を封じ込めたのは、唄に力を持った姫だった。

姫の唄声には、悪しき力を押さえ込む力があった。

妖は姫の唄にて、岩山の腹に封印された。

今尚その妖は、岩山に封印され存在する。

旅の者達はこの地に住まい、妖の封印が解かれぬよう見守ることを決めた。

旅の者達の血族は、今尚この地に存在する──。
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