桜家の日常

桜家の一日は、お母さんの怒鳴り声から始まります。

「平助ー!いい加減に起きなさーい!!」
「うっせぇよ母ちゃん…。あと五分…」

もそもそと、次男の平助は布団に潜ります。

「いい加減にしなさい!」

襖を勢いよく開けて、和服美人なお母さんの歳ぞ…じゃない、歳江さんが入ってきます。歳江さんは、掛け布団を掴むと一気にそれを引っ張ります。

「うー…さみぃよ母ちゃん…」
「寒いのが嫌なら起きなさい!」

歳江さんは引っ張った掛け布団を器用に畳むと、押し入れの中へとしまいます。そして、再び平助の方を向くと…

「…………」

平助は、敷き布団の下に潜り込んでいました。

「往生際が悪いわね…。いい加減になさい!」

歳江さんは、敷き布団を掴むと一気にそれを引っ張ります。

「だからさみぃよ、母ちゃん…」
「寒いのが嫌なら起きなさいって言ってるでしょ!?」

歳江さんは引っ張った敷き布団を器用に畳むと、押し入れの中へとしまいます。そして、再び平助の方を向くと…

「…………」

平助は、畳の下に潜り込んでいました。

「はぁ……」

歳江さんはそう溜め息を吐くと、一旦部屋を出て行きました。暫くすると、両手にお玉とフライパンを持って戻ってきました。

「おーきーなーさーいー!!」

歳江さんは平助の耳元で、フライパンをお玉で叩いて鳴らします。

「どぅわぁぁぁっ!!」

流石の大音量にびっくりして、平助はその字のごとく飛び起きました。

「な、なんだよ母ちゃん!びっくりしただろ!?鼓膜破れたらどうするつもりだよ!?」
「どうしたもこうしたもありません!早く起きない平助が悪いんですからね!!」

歳江さんはそう言うと、器用に畳を元に戻しました。

「ホラ、いつまでもぼけっとしてないで!朝御飯さっさと食べて、冷めちゃうから!」

少し急いだ足取りで、歳江さんは部屋を出て行きました。

◇◇◇◇◇

着替えや洗顔を済まして平助が居間へ行くと、既に長男の総司と、長女の千鶴がいました。

「おはよう、平助。今日も寝坊かぃ?」

ニヤニヤと笑う総司にイラッとする平助ですが、色々と勝てないので諦めるコトにしました。

「おはよう、平助お兄ちゃん」

妹の笑顔に、朝のイヤなコトが癒されるよう。

でも……

「なぁ、アニキ……。千鶴に回してるその腕なに?」

よくよく見ると、総司はさも当たり前のように、千鶴の肩に腕を回していました。

「なにって、千鶴は僕のモノだからね。当たり前だろ?」
「当たり前言うなし!それもう、シスコンだろ!?」
「シスコンだなんて、失礼だなぁ。僕はただ、千鶴が好きなだけだよ」

そのままギュウッと、総司は千鶴を抱きしめました。

「総司お兄ちゃん、暑いから離れて」

ズバッと千鶴に言われ、総司は渋々抱き締めるのを止めました。

「三人共、早くご飯食べないと遅刻するわよ?」

歳江さんの言葉に三人が時計を見ると、すでに七時半でした。

「いけない!今日は友達と学校に行くんだった!」

千鶴はそう言うと、残っていた朝ご飯を食べ始めました。

「ヤベッ!今日朝練じゃん!!」

平助も急いで朝ご飯を食べ始めました。

「いけない。僕も朝の課外があった!」

総司も急いで、残っていた朝ご飯を食べ始めました。

「まったく…うちの子供達は…」

はぁ、と歳江さんは溜め息を吐きながら、最後のお弁当を包み終えました。

「ごちそうさま!」

先に食べ終わった千鶴が立ち上がりました。

「はい、お弁当」
「ありがとうお母さん!行ってきます」
「行ってらっしゃい」

歳江さんからお弁当の包みを受け取り、千鶴は学校へ行きました。

「ゴチそーさん!」

平助も立ち上がり、エナメルのショルダーバックを掴みます。

「ごちそうさま」

そのすぐ後に総司も立ち上がり、ショルダーバックを掴みます。

「二人ともお弁当」
「サンキュー母ちゃん!行ってきます!」
「行ってきます、母さん」
「行ってらっしゃい、二人とも」

歳江さんから、玄関先でお弁当の包みを受け取った二人も、急いで学校へ行きました。

「やれやれ…」

そう呟く歳江さんは笑顔でした。

「さて……洗い物と洗濯しなくちゃね」

歳江さんはそう言うと、家の中へと入っていきました。

育ち盛りで、部活に一生懸命に取り組む子ども達の洗濯物は、ハンパないほどに多いのですから。

◇◇◇◇◇

「つっ…かれたぁ……」

どかりと平助は自分の席に座り込みました。

「お疲れさん、平助」

前の席に座っていた友人が、平助にそう声をかけました。

「ぱっつぁんのやろー……俺のこと殺す気かよ……」

友人が差し出してきたカロリーメイトを貰いつつ、平助は愚痴り始めました。

「相変わらず、練習キツいんだ。陸上部」
「そーそー。今日なんて、朝っぱらから外周30周だぜ!?」

カロリーメイトを口に含み平助は言いました。

「それやばくね!?」
「やべーよマジで!しかもそれを最低でも20分で走り切れって、マジ無理だから!!」

学校の外周は一周分が約1.5キロあります。それを30周で、約40キロです。

「朝からそれはねぇよ…」
「だろ?俺、タイム走りきれなかったし」
「てか、走りきったら神じゃね?」 

40キロを20分で走りきるのはいろいろと無理です。

「あれは拷問としか言いようが…」
「きゃあっ!」

平助の言葉と重なるように、教室の後ろから女子生徒の悲鳴が聞こえました。

「なんだ?」

平助が後ろを振り向くと、クラスメートの男子二人が言い争いと掴み合いをしていました。

「それウソだろ!?」
「ウソじゃねぇ!!」
「あり得ないだろ!?」
「やめなさいよ!」

二人の間に千鶴が入りました。

「だってコイツ、校長が山南先生のメガネを紙ヤスリで拭いたって言うんだぜ?」
「…ウソじゃねぇよ!!」

胸倉を掴まれている男子が叫びます。

さあ、とうとう教室の中は、今にも殴り合いが始まってしまいそうな雰囲気になっています。このまま殴り合いが始まるのか…と思われたその時でした。

教室前方の扉ががらりと開き、担任の斎藤一先生が入ってきました。

(ナイス登場、先生!)
「…先生…」

平助の思考と、千鶴の声が重なりました。

「ケンカはやめろ!!」
「犬の言うことなんて聞けないよ?」

胸倉を掴んでいる方の男子が言います。

「先生になんてこというのよ!」

バカ!と胸倉を掴まれている方の男子にビンタしました。

「なんで俺!?」
「勝手に犬と決めるな!」

ひっぱたかれた男子はスルーで、先生は言いました。

「じゃあ、なんて呼んで欲しいんですか?」

男子生徒に問われた一先生は、迷わずに言いました。

「ところてん…とか」
「は……?」

そんなん変だろ!?と平助が言う前に、男子生徒が言いました。

「ところてん……なんて強そうな名前なんだ……」
「えっ、ちょっ……」
「先生…」
「先生…」
「先生…!!」

教室中に先生と言う声が響きます。

「えっ、ちょっ、おかしいって!」
「まぁまぁ。イイ名前じゃねぇか、ところてん」
「よせ…照れる」

友人の声が聞こえていたのか、顔を赤らめ手をかざしながら、一先生は横を向きました。

「イヤ明らかおかしいからっ!てか、そんなんで照れてんじゃねぇよ親父!!」
「それじゃあ、みんな席に着け。朝のSHR始めるぞ」
「無視すんなよ、親父ィィィィ!」

朝の学校に、平助の悲痛な心の叫びが響き渡りました……。

[続く]

〔次回予告〕
次回はなんと、お隣なあの人が回覧板を持って登場!?更にはお母さんに貞操の危機!?
次回「隣の居候は女装趣味」どうぞお楽しみに!

第一話からこんなノリで大丈夫なのか?
大丈夫だ、問題ない。←

というわけで始まりました、桜家の日常!カッコイイキャラなんて一人もおらんよ…ハッハッハッ!だって、「薄桜鬼」じゃないもんね!!←←←
キャラ崩壊のレベルでは、他の追随を許しそうにない作品になりそうだ…。因みにネタは、某ケータイ会社のCMとそれをモトにしたMADから引っ張ってマス。いやーあれは素晴らしかった…(≧∀≦)

次回予告ー!しっかりしろー!!
いや出ますけどね、女装趣味のお隣さん。一体誰かはお楽しみに!

それでは、今後とも「桜家の日常」をお楽しみください。
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