【その愛は深淵のように】

〜斑目一角〜


一角は、戦闘部隊である十一番隊の第三席
自らを〝更木隊″と呼び、その一員としていつも先頭を走っていた
何よりも戦いと喧嘩が好きで、毎日それを求めている

そんな一角は、荒くれ者が集う十一番隊の中では、誰よりも戦いに対して自分の矜持を持っている

ただ戦いが好きなだけじゃない

憧れた更木隊長の下で戦って死ぬ
私の中には無い、一角のその漢らしい姿が格好良くて、少し眩しく見えた

そんな一角に少し驚いた事と言えば、案外手先が器用なのだと言う事だ
十一番隊は戦闘部隊だし、そこに身を置く一角からは最初想像する事が出来なかった

副隊長であるやちるちゃんの誕生に、〝ローラースルーゴーゴー″と言う名の乗り物を自らの手で作り贈っていた

戦い以外にもこんな一面があるとは思いもせず、その手先の器用さには感心したのを覚えている

そんな一角も私を十一番隊の一員として受け入れ、何度も手合わせや鍛錬に付き合ってくれた

ただ戦いたい気持ちもあるのだろうけど、一角は面倒見が良いのかもしれない
普段から他の隊士達の手合わせもしているし、なんだかんだやちるちゃんに付き合ってあげている
それに恋次の修行にも真摯に向き合っていた

そして戦ってる最中は手を抜かず、愉しみながらも真剣そのもの
戦いに重きを置く一角だからこそ、互いに手加減する事を許さない
強かろうが弱かろうが、手を抜く事は相手を愚弄しているのと変わらないから

私は一角の戦いに対しての気持ちを尊重しているし、尊敬もしている

私が自分の力の一部を明かした時も、それに対して一角も自身の秘密を明かしてくれた

誰しも隠し事の一つや二つはある
その中でも一角は、卍解を既に習得している事を話してくれた

それを話すとなると、大きな覚悟が必要だ
その事を知っているのも弓親だけ

私は自分と近しい存在が居た事に、安堵にも似た感情が芽生えた
席官と言う地位で、卍解が出来る事を隠している事実に、少なからず親近感が湧いたに違いない

…だけど、私の心はそれ以上…一角の心を受け入れる事が出来なかった…

一角はある時から、戦いだけではなく、私の心も身体も求め始めた

十一番隊特有の獲物を見つけたような鋭い瞳が、何度も私を見下ろしていた
一角は嫉妬深く、その嫉妬を直接私の身体に刻み付けた

どうして?何故こんな事を?
私には分からない

身体に刻み付けられる一角からの愛が、痛くて、痛くて…何よりも心が痛かった

ある日勝手に取り付けられた約束を、不本意にも破る事になってしまった時、
次第に募っていく一角への恐怖が、私を支配し始めていた

力の解放の後遺症に苦しむ私から薬を奪い、苛立ちと快楽を私にぶつけた

…嗚呼、やっぱり弱さを見せちゃいけないんだと、後悔する暇さえ与えられぬまま犯される身体

私の心と身体が痛くて苦しいのは、後遺症のせいなのか、受けた愛の痛みなのかさえ分からなくなっていた…

〝お前は俺の物だ″と、何度も犯され続け、逃げる事さえ許され無い
逃げたくても、逃げる事が出来なかった
それは十一番隊を去った後も、変わないまま…

これが私が、
斑目一角と言う男から受けた
〝狂った寵愛″の果てである