「吉良くんは、好きな人いるの？」

吉「えっ…？」



純粋無垢な瞳で、突然彼女に投げ掛けられた質問
思わず返答に戸惑ってしまう

なんて答えようか思考を巡らしている間も、
彼女は口元を緩ませながら

「どうなの？」

…と、首を傾げている



吉「…どうして気になるんだい？」

「気になるからだよ？それ以外に理由はある？」



…全く困ったものだ
ただの好奇心で、
僕の心を揺さぶらないでほしい



吉「それを教えて、君に何か得が有るのかい？」

「…質問を質問で返すのは良くないよ。それは誤魔化す理由があるからだよね？吉良くん」



図星を突かれ、思わず目線を逸らしてしまった
これじゃあ肯定しているのと同じじゃないか

…それでも僕の好きな人は、
まだその答えを待っている



-end-