「…また怪我してる」



頬に出来た傷を見て、楓は心配そうに俺を見た
そして鞄からゴソゴソと何かを探し出す



「…あ、あった。ほら、これ使って？」



そう言って鞄から出てきたのは絆創膏だった

楓はペリペリと絆創膏を剥がし、
頬の傷にペタリと貼った

指先が肌に触れ、少しだけ顔が熱くなる
思わず楓が触れた頬を手で押さえた



「ゴメン、痛かった？」

護「…イヤ、そんなんじゃねえよ。ありがとな」

「我慢しなくていいんだよ？小さな傷でも痛いものは痛いからね」



…それからも楓は、
俺が怪我をする度に絆創膏を貼ってくれる

そして傷が治って絆創膏を剥がす度に、
なんとも言えない名残惜しさが生まれるんだ

痛みには慣れたけど、
この気持ちにはまだ少しだけ慣れない



-end-