📚知らなかった

  • 兄弟盃を交わした翌日、二日酔いでダウンしていた間に起きていた出来事。

  • 亏漽

    お、いたいた〜

  • 亏漽

    おーい!

  • 尾田

    あれ、京楽隊長、お疲れ様です

  • 亏漽

    どうもー、こんにちは

  • 三番隊敷地内でのこと。

  • ケイジ

    市丸隊長に御用でしょうか

  • 亏漽

    いや、違うんだ

  • 亏漽

    あれ?なつみちゃんいないのかい?

  • 亏漽

    てっきり、キミたちの陰に隠れていると思ったのに

  • 李空

    木之本は休みですよ

  • 亏漽

    風邪かい?
    体調悪いの?

  • クーちゃん

    いえ、普通に休日です

  • ハル

    明日なら来ますよ

  • 亏漽

    そっかぁ、タイミング悪かったねぇ

  • ハン

    ことづけでしたら、代わりにお伝えしますが

  • 亏漽

    彼女が探している本をね、持ってきてあげたんだけど

  • 亏漽

    どうしようかな

  • 尾田

    その袋のですか?

  • 尾田

    お預かりして、後日あいつに渡しておきますけど

  • 亏漽

    うーん…

  • 亏漽

    じゃあ、お願いしちゃおっかな

  • 尾田

    はい、お任せください

  • 亏漽

    じゃ、よろしくね〜👋

  • 袋を尾田に渡して、京楽は去っていった。

  • クーちゃん

    ねーねー、中身何かな

  • ハル

    ダメだよ、勝手に見たらかわいそうじゃん

  • ケイジ

    そんな変なものじゃないだろ

  • 李空

    エロ本だったりして

  • ハン

    あいつがそんなもの欲しがる?

  • ハン

    でも、相手が京楽隊長なら、無きにしも非ずか

  • 尾田

    何でも良いじゃん
    部屋に戻ろうぜ〜

  • 自室に戻った尾田。興味の無いフリをしていたが、1人になった途端に、袋の中身を確認。

  • 尾田

    何じゃコリャー‼️

  • 慌てて市丸のいる隊首室に駆け上がる。到着後、多めに扉を連打した。

  • 尾田

    十四席の尾田です!
    市丸隊長、いらっしゃいますか!

  • 市丸

    はーい、どうぞ〜

  • 尾田、入室。

  • 市丸

    どうしたん?尾田くん
    何かあった?

  • 尾田

    木之本って、京楽隊長のこと、す、好きなんですか⁉︎

  • 市丸

    え‼︎

  • 瞬時に考える。

  • 市丸

    あちゃー、引き出しの中身見てもーたか…

  • 市丸

    せっかくテープ剥がしたのに、意味無かったやん
    かわいそ😅

  • 尾田

    何の話ですか…

  • 市丸

    え‼︎アレとちゃうの⁉︎

  • 尾田

    よくわかりませんけど、これですよ、コレ‼︎

  • 尾田は預かった袋を市丸の机にバンッと置いた。

  • 市丸

    何?これ

  • 尾田

    先程、京楽隊長から木之本に渡すようにと預かった物です

  • 袋から取り出されたのは、京楽の写真集『腕まくら』だった。

  • 市丸

    うわ‼︎

  • 袋の中には手紙も同封されていた。

  • 市丸

    うわ‼︎

  • 『かわいいなつみちゃんへ、いっぱいボクのこと想像して、楽しんでネ♡』

  • 市丸

    何じゃコリャー😱

  • 尾田

    2人はどんな関係なんですか‼︎

  • 市丸

    知らんよ!

  • 市丸

    さすがにボクもこれは知らんて!

  • 尾田

    俺、俺は、木之本のこと好きなのに…

  • 尾田

    ぅわー‼︎
    知らなかったー😭

  • 市丸

    (せやった、なつみちゃんも泣き虫さんやけど、尾田くんもやった。めんどっ)

  • 市丸

    尾田くん、泣かんといて

  • 市丸

    まだ失恋と決まったわけやないやん

  • 市丸

    (いや、決まってるけど)

  • 市丸

    そうや!京楽さんがなつみちゃんにちょっかい出してるだけかもしれへんやん

  • 市丸

    ほらー、なつみちゃんはかわええし、京楽さんは女の子大好きやし

  • 市丸

    な?なつみちゃんの気持ちはまだわからんから、尾田くんがそないに落ち込むこと無いんよ

  • その慰めを聞いて、考える尾田。納得してきたのか、うんうんと黙って首を縦に何度も振る。

  • 市丸

    こんなもん送りつけてきて、京楽さんも困った人やね〜

  • 尾田

    隊長、引き出しってあいつの部屋のですか

  • 市丸

    え…

  • 写真集と手紙を袋にババッと入れて回収し、尾田は部屋を出る。

  • 尾田

    失礼しました!

  • 市丸

    アカン‼︎
    尾田くん早まったらアカン‼︎
    キミには耐えられへんよ‼︎

  • 閉まる扉。

  • 市丸

    ま、知らんわ

  • 市丸

    にしても、あの人も悪い人や

  • 市丸

    虫除けにしては手荒すぎるやろ

  • ドタバタと階段を降り、尾田は二十席の部屋へ。扉を開け、ズンズン進み、机の引き出しを上から順番に開けていく。そして一番下の引き出しへ。

  • 尾田

    ア゛ーーーーーーッ😱

  • 窓を開けて悲鳴を確認。

  • 市丸

    尾田くん、成仏しーやー🙏

  • 小説もアルバムもぬいぐるみも見てしまった尾田、床にうずくまる。

  • 李空

    どうしたんだよ、うるせーな

  • 尾田

    うぅぅ😭

  • ハン

    ゲッ、何これ!

  • ハル

    あいつ、こんなの集めてたのか⁉︎

  • ケイジ

    うわー、マジか

  • クーちゃん

    俺ちゃんと言ったよ!変なもん持ち込むなって

  • 李空

    幻滅だな

  • 李空

    で、さっきの袋の中身がこれ

  • ハン

    こんな秘密があったなんてね

  • 尾田

    俺、立ち直れないかも(泣)

  • クーちゃん

    いや、お前だけじゃないって
    これはみんなショックでしょ

  • ハル

    あー、明日どんな顔してあいつ見たら良い?

  • ケイジ

    それな

  • 李空

    これはひとまず、作戦会議が必要だ

  • 引き出しを元通りにして、写真集は袋に戻して机の上に置いてやり、男たちはギリギリの精神でその日をやり過ごしていった。

  • 明くる日
  • ぼく

    おっはよー!
    今日も元気いっぱい、ばりばり働こーう!

  • 無言。6人の目はいつもの半分以下しか開いていない。

  • ぼく

    何だよ、調子悪いのか?

  • 尾田

    昨日、京楽隊長からお前宛に届け物があったぜ

  • ぼく

    え⁉︎まさか

  • ぼく

    キャーッ💓

  • 『腕まくら』が来たと喜び、ほっぺに手を当ててぴょんぴょん跳びはねる。次の瞬間、野郎共の顔色を確認して血の気が引く。

  • ぼく

    ギャーッ‼️😱

  • ぼく

    勝手に見てんじゃねーよ‼︎
    …、その軽蔑の目を向けんな!
    つか、何か言え!

  • ケイジ

    まさかの老け専

  • クーちゃん

    エッチ

  • ハル

    変態

  • ハン

    すけべ

  • 李空

    ムッツリ

  • 尾田

    ドン引きじゃー‼︎‼︎

  • ぼく

    わー‼︎😫

  • 李空

    女扱いすんなとか言いながら

  • 李空

    何、恋する乙女ぶってんだよ、このド変態‼︎

  • ハン

    デデーン
    木之本ぉ、タイキックぅ〜

  • ぼく

    何でェ‼︎‼︎
    は、放せェ‼︎

  • 尾田

    踏ん張れ

  • 尾田の小脇に抱えられる。

  • クーちゃん

    プゥ〜🎶

  • クーちゃんの旋律に合わせて、ムエタイ選手李空登場。

  • ケイジ

    思い切りいけ

  • ハル

    外すなよ〜

  • ぼく

    ま、待て!
    やめてくれー‼︎

  • 李空

    シュッ‼︎💥

  • スパーン‼︎
  • ぼく

    イターいッ‼︎‼︎🍑💥

  • 李空の蹴りが、おケツにクリティカルヒット。四つん這いに崩れる。

  • ぼく

    い゛だーい゛😭

  • 李空

    行こうぜ

  • 6人は、その場から動けないなつみを置き去りにして歩き出す。

  • ぼく

    あうぅ…
    おケツが割れた😖

  • おケツの二分割が、横にも割れて四分割になっていないか、触って確認していると、離れた所から聞こえてきた。

  • ハル

    にしても、木之本に男を見る目があって安心したよな

  • ケイジ

    あぁ、
    どこのどいつかも知らねぇ、碌でもない男に惚れられたら、たまったもんじゃねーからな

  • ハン

    木之本!
    俺たちに隠し事してたこと、今の李空の一発で許してやるから
    顔上げろ!

  • 尾田

    何で隠してたんだよ

  • ハル

    言えるわけないよ、あんなの持ってるなんて

  • ハル

    でも、気になる人がいるんだよね〜くらいは教えて欲しかったな

  • クーちゃん

    ねぇ、なつみ、俺たちにもし好きな人ができたら、その恋応援してくれる?

  • ぼく

    う…、もちろんだよ🥺
    応援するよ!

  • クーちゃん

    だよね😉

  • 李空

    俺たちも同じだ
    だから…

  • 李空

    「あんなこと知られて、恥ずかしくって、消えてなくなりたーい」なんて言ったら、もう一発蹴り入れるからな

  • 李空

    こんなことで俺たちから離れようとか思う方が、よっぽど許せねえ

  • 尾田

    何があっても俺たちは仲間だから、隠し事なんかそんな簡単にすんなよ

  • ぼく

    うん…
    ごめん

  • ハン

    ほら、もう立って立って

  • レンが来てくれて、立たせてくれた。膝の汚れも払ってくれた。

  • ケイジ

    そろそろ行こう
    全員仲良く怒られそうだ

  • ハル

    それはそれで楽しいじゃん😄

  • クーちゃん

    笑い事じゃないから
    急ごう!

  • 尾田

    よし!
    こっそり走ろうぜ!

  • 李空

    何だよ、それ

  • ぼく

    しー🤫だよ!

  • 作業開始が少し遅れたが、お咎めは無かった。自室に入ると、机の上に袋を見つけた。中身を確認、跳んで喜び、着席。後でじっくり見ようと、秘密の引き出しに写真集をしまおうとすると。

  • ぼく

    ん?何これ

  • 引き出しの中に、見覚えのない1枚の紙が、アルバムの背表紙の上に置かれていた。

  • ぼく

    『仕事中にムラムラしてねーで、俺たちでイライラしてろ』

  • そんなメッセージが書かれていた。ひっくり返すとその紙は写真で…

  • ぼく

    バカ…
    アホだなぁ、あいつら

  • 6人全員集まって、各々変顔🤪😙😜😬😝😑をして写っていた。

  • ぼく

    いじわる///

  • クスッと笑い、引き出しを閉じた。

  • ぼく

    ここに残って良かったよ

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