DRIVE(バッファローマン夢小説)
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彼女が眠りの海に半分沈んだまま、ピンとノリのきいたシーツの快さを爪先で味わっていると、違和感に気がついた――バッファローマンがとなりにいない。
身を起こすと、彼は窓に向かって置かれたソファに座っていた。月光が二本のロングホーンを淡く黄色に染めている。
「……どしたの?」
彼女は裸足で歩み寄ると彼の顔をのぞきこんだ。
「いや、さっき便所に起きたら、あんまり月がキレイだったからさ」
「ほんとだ」
二人は言葉もなくしばし夜空を眺めた。
「ねえ、散歩しようよ?」
二人は部屋を出て、音を立てないよう静かにロビーを抜け「プライベートビーチ」と書かれたドアを開けた。白い螺旋階段が下までつづいている。降りきった先は波打ち際がもう目の前だった。大潮の満潮が過ぎたばかりの砂浜は、階段のすぐ手前まで黒々と濡れている。
そこへそろりと足を下ろすと、わずかに沈んでくっきりとした足跡を残した。
数歩もいかないうちに、彼女は靴を脱ぎ捨てる。
「あし、汚れるぞ」
「バッファも脱げば?冷たくてきもちいいよ」
「言うこと聞かねえな、おまえは」
バッファローマンは苦笑しながらも、彼女にならった。
ゆったり歩く彼の少し前を行きながら彼女は小声で歌を口ずさむ。
月夜の沙漠を、駱駝に乗った王子様とお姫様が旅をしていく歌。
「なあ、牛は出てこないのか?」
彼女はしばし考えてふたたび歌を歌った。
ヘイ・ディドル・ディドル
ネコがフィドルを弾いて
ウシが月を飛びこえた
それ見た子犬が大笑い
お皿とスプーンが逃げ出した
「……月か」
バッファローマンは彼女の脇に両手を差し入れて持ち上げると、子供をそうするように肩にのせた。
「いつか、行こうか。二人で」
「ほんと?」
「ああ、連れてってやるよ」
「待ってるね。ずーっと待ってるから」
彼女は彼の頭にしがみつくと、素敵な角にそっとキスをした。
月明かりに照され、仲よく並んでいた大きな足跡と小さな足跡は、そこから大きいものだけになり、しばらくのあいだ続いていった。
To be continued
(2020.06.09 Pixiv初出)
引用元:Webサイト『世界の民謡・童謡』
https://www.worldfolksong.com/index.html
身を起こすと、彼は窓に向かって置かれたソファに座っていた。月光が二本のロングホーンを淡く黄色に染めている。
「……どしたの?」
彼女は裸足で歩み寄ると彼の顔をのぞきこんだ。
「いや、さっき便所に起きたら、あんまり月がキレイだったからさ」
「ほんとだ」
二人は言葉もなくしばし夜空を眺めた。
「ねえ、散歩しようよ?」
二人は部屋を出て、音を立てないよう静かにロビーを抜け「プライベートビーチ」と書かれたドアを開けた。白い螺旋階段が下までつづいている。降りきった先は波打ち際がもう目の前だった。大潮の満潮が過ぎたばかりの砂浜は、階段のすぐ手前まで黒々と濡れている。
そこへそろりと足を下ろすと、わずかに沈んでくっきりとした足跡を残した。
数歩もいかないうちに、彼女は靴を脱ぎ捨てる。
「あし、汚れるぞ」
「バッファも脱げば?冷たくてきもちいいよ」
「言うこと聞かねえな、おまえは」
バッファローマンは苦笑しながらも、彼女にならった。
ゆったり歩く彼の少し前を行きながら彼女は小声で歌を口ずさむ。
月夜の沙漠を、駱駝に乗った王子様とお姫様が旅をしていく歌。
「なあ、牛は出てこないのか?」
彼女はしばし考えてふたたび歌を歌った。
ヘイ・ディドル・ディドル
ネコがフィドルを弾いて
ウシが月を飛びこえた
それ見た子犬が大笑い
お皿とスプーンが逃げ出した
「……月か」
バッファローマンは彼女の脇に両手を差し入れて持ち上げると、子供をそうするように肩にのせた。
「いつか、行こうか。二人で」
「ほんと?」
「ああ、連れてってやるよ」
「待ってるね。ずーっと待ってるから」
彼女は彼の頭にしがみつくと、素敵な角にそっとキスをした。
月明かりに照され、仲よく並んでいた大きな足跡と小さな足跡は、そこから大きいものだけになり、しばらくのあいだ続いていった。
To be continued
(2020.06.09 Pixiv初出)
引用元:Webサイト『世界の民謡・童謡』
https://www.worldfolksong.com/index.html
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