DRIVE(バッファローマン夢小説)
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「それにしても、良い天気だ。このまま帰るのは勿体ないな」
「乗れたの、久しぶりだもんね」
「そういや、この先に昔行ったリゾートホテルがあるんだ。せっかくだから今日は泊まっていこうぜ」
――それはいつ?とか、だれと?とか、そんな疑問が彼女の頭に浮かんだ。だけど、世の中には知らないほうがいいこともある。それらはそういうものの内のような気がして、だから別のいらえを選んだ。
「潮風は車体によくないんでしょ?大丈夫?」
「そろそろオーバーホールに出そうと思ってるんだ。その時ケアしてもらえばいい」
「じゃ決まり!」
そこは、客室のほぼ全てがオーシャンフロントという、何とも贅沢なロケーションにあるリゾートホテルだった。何種類もの屋内プールが併設していて、ホテルの宿泊客はリーズナブルにそこを利用できる。また、大浴場には近隣から湧出する温泉がひいてあり、露天風呂からは水平線に沈む夕日を眺めることができた。
運のよいことに部屋は空いていた。チェックインにはまだしばらくあったので、トリノを預けてビーチにでる。
他の店より一足先に居を構えた「海の家」で、二人はドライブでこわばった身体を伸ばしていた。それからバッファローマンはヤキソバでビール、彼女はラーメンでビールを飲んだ。薄いチャーシューが一切れ、メンマ、作り物めいたナルトと茹でたホウレン草。
ほとびた海苔をちょっと麺にからめてすする。
「あっちのほうにトンビがいる」
「ずいぶん高く飛んでるな」
「上昇気流が強いんだ。暑いもの」
「海はいいよな。波の音を聞いているだけで時間が過ぎてく」
夕陽の名残が水平線の際を朱色に染めるころ、それぞれ大浴場へと向かった。彼女は柔らかな湯の単純泉に胸のあたりまで浸かりながら、今日を思い返していた。
いま、この場所でこうして夕陽を眺めながら湯船につかっているなんて、朝起きたときには考えもしなかった。何だか違う世界に迷いこんでしまったような気がする。
考えてみればバッファローマンと一緒にいること自体おとぎ話みたいなもので、初めて彼に会った日から、もう自分はそこに居たのかもしれない。
とっぷり日が暮れて、ほどよく空腹になったころ、二人はホテルの食事処で差し向かいで懐石料理を堪能していた。金目鯛の昆布〆、伊勢エビの天ぷら、そのほかに蒸し鮑。
「この金目鯛、昆布で〆てあるから歯ごたえが座ってて味も一段深くなってる!」
彼女はご満悦で盃を口にはこぶ。
「伊勢エビの身が弾力があって、すごく甘い。上等な天ぷらは塩だな、やっぱり」
バッファローマンも一息で盃の酒を飲み干す。
彼らが飲んでいる日本酒は地元の酒蔵で造られた大吟醸。キリリとしたクリアな飲み口で、これの冷やはうっかりするとつい飲み過ぎてしまう。まさに今二人のように。
「この蒸し鮑、身も絶品だが、肝ソースがサイコーだ。こんなウマイもん作れるヤツは天才だな」
鮑の身は柔らかく、かつ程よく熱がまわっていて、むっちりとした歯ごたえ。海のエキスのような香りと滋味、ほんの少し苦味をもった肝を火にかけてバターをひと欠片、すると旨味の陰影がくっきりと浮かびあがったソースが完成する。こう書けば容易く思われるけれども、火の扱い方をほんの少し間違えただけで、思い描いていたものとは全くの別物になってしまう。
ますます酒がすすんだのは言うまでもない。
食事が済んでホルダーに挟まれた伝票にサインをするバッファローマンは、少々足元が覚束なかった。彼女は彼女で真っ赤になった顔にゆるみきった笑顔を浮かべ、バッファローマンのアロハシャツの裾をギュッと握っている。予約もなしでやって来たバッファローマンの巨躯に合う浴衣はあろうはずもなかった。
それから部屋に戻って、バッファローマンが
「男のロマンだ」
とか訳のわからないことを言いながら彼女の浴衣の帯を解いて、好き合った者同士がすべきことをしたあと、二人は眠りについた。
「乗れたの、久しぶりだもんね」
「そういや、この先に昔行ったリゾートホテルがあるんだ。せっかくだから今日は泊まっていこうぜ」
――それはいつ?とか、だれと?とか、そんな疑問が彼女の頭に浮かんだ。だけど、世の中には知らないほうがいいこともある。それらはそういうものの内のような気がして、だから別のいらえを選んだ。
「潮風は車体によくないんでしょ?大丈夫?」
「そろそろオーバーホールに出そうと思ってるんだ。その時ケアしてもらえばいい」
「じゃ決まり!」
そこは、客室のほぼ全てがオーシャンフロントという、何とも贅沢なロケーションにあるリゾートホテルだった。何種類もの屋内プールが併設していて、ホテルの宿泊客はリーズナブルにそこを利用できる。また、大浴場には近隣から湧出する温泉がひいてあり、露天風呂からは水平線に沈む夕日を眺めることができた。
運のよいことに部屋は空いていた。チェックインにはまだしばらくあったので、トリノを預けてビーチにでる。
他の店より一足先に居を構えた「海の家」で、二人はドライブでこわばった身体を伸ばしていた。それからバッファローマンはヤキソバでビール、彼女はラーメンでビールを飲んだ。薄いチャーシューが一切れ、メンマ、作り物めいたナルトと茹でたホウレン草。
ほとびた海苔をちょっと麺にからめてすする。
「あっちのほうにトンビがいる」
「ずいぶん高く飛んでるな」
「上昇気流が強いんだ。暑いもの」
「海はいいよな。波の音を聞いているだけで時間が過ぎてく」
夕陽の名残が水平線の際を朱色に染めるころ、それぞれ大浴場へと向かった。彼女は柔らかな湯の単純泉に胸のあたりまで浸かりながら、今日を思い返していた。
いま、この場所でこうして夕陽を眺めながら湯船につかっているなんて、朝起きたときには考えもしなかった。何だか違う世界に迷いこんでしまったような気がする。
考えてみればバッファローマンと一緒にいること自体おとぎ話みたいなもので、初めて彼に会った日から、もう自分はそこに居たのかもしれない。
とっぷり日が暮れて、ほどよく空腹になったころ、二人はホテルの食事処で差し向かいで懐石料理を堪能していた。金目鯛の昆布〆、伊勢エビの天ぷら、そのほかに蒸し鮑。
「この金目鯛、昆布で〆てあるから歯ごたえが座ってて味も一段深くなってる!」
彼女はご満悦で盃を口にはこぶ。
「伊勢エビの身が弾力があって、すごく甘い。上等な天ぷらは塩だな、やっぱり」
バッファローマンも一息で盃の酒を飲み干す。
彼らが飲んでいる日本酒は地元の酒蔵で造られた大吟醸。キリリとしたクリアな飲み口で、これの冷やはうっかりするとつい飲み過ぎてしまう。まさに今二人のように。
「この蒸し鮑、身も絶品だが、肝ソースがサイコーだ。こんなウマイもん作れるヤツは天才だな」
鮑の身は柔らかく、かつ程よく熱がまわっていて、むっちりとした歯ごたえ。海のエキスのような香りと滋味、ほんの少し苦味をもった肝を火にかけてバターをひと欠片、すると旨味の陰影がくっきりと浮かびあがったソースが完成する。こう書けば容易く思われるけれども、火の扱い方をほんの少し間違えただけで、思い描いていたものとは全くの別物になってしまう。
ますます酒がすすんだのは言うまでもない。
食事が済んでホルダーに挟まれた伝票にサインをするバッファローマンは、少々足元が覚束なかった。彼女は彼女で真っ赤になった顔にゆるみきった笑顔を浮かべ、バッファローマンのアロハシャツの裾をギュッと握っている。予約もなしでやって来たバッファローマンの巨躯に合う浴衣はあろうはずもなかった。
それから部屋に戻って、バッファローマンが
「男のロマンだ」
とか訳のわからないことを言いながら彼女の浴衣の帯を解いて、好き合った者同士がすべきことをしたあと、二人は眠りについた。
