朝餉(ザ・ニンジャ夢小説)
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ニンジャはふんわりと焼きあがっただし巻き卵をまな板にとると、巻きす代わりにキッチンペーパーを使って形をととのえ、キレイに切り分けた。タイミングよくイワシも焼き上がり、こちらも銘々の皿に並べられる。
「さて、それでは食事にしよう」
二人は向かい合わせで食卓につくと、両手を合わせ、「いただきます」と、声をそろえた。
白飯、大根のみそ汁、イワシの丸干し、だし巻き卵。
どこからどう見てもこれぞ日本の朝食、といったラインナップだ。ニンジャはまず、彼女の作ったみそ汁に口をつけた。寒くなって甘みがまし、ほどよく火のとおった大根はみずみずしく、ていねいに味噌を溶いた汁には、まろやかな塩味がある。鼻腔を抜けていく快い出汁の香りが食欲をさそう。
「うん、いい味だ。そなたは本当に料理上手だ」
「やだわニンジャさんたら。昨日もそれ聞いたわ」
言葉とは裏腹に、うれしさで彼女の頬は少しだけ赤らんでいる。
「そうか。しかしよいだろう、美味いものは美味いのだから」
「ありがとう、うれしいわ。それからだし巻き卵も今朝も絶品よ」
「それはよかった」
やさしく言葉をかえすザ・ニンジャ。笑みを浮かべた彼女の顔を眺め、ふと、思う。
――自分はずい分と変わってしまった。
影に忍び、知略を張りめぐらせ、時に寝首を掻き。人の言動の裏の裏まで読み解こうと、眉間にはいつもシワを寄せていた。
いや、変わってしまったのではない。
変わったのだ、自らの意思で。
正義超人らとの戦いのなかで彼らの理(ことわり)を知り「憎しみと裏切りだけが世界の全てではないのだ」と思いいたった。結果、彼は正義超人に転身し、これまでと異なるやり方で他者と関わりあっていこうと決めた。
「――ニンジャさん、食べないの?冷めちゃうわよ」
「ああ、そうだな」
ニンジャは胸中の物思いなどみじんも感じさせずに応えると、だし巻き卵に箸をのばした。
end
書き下ろし 2023.12.01
「さて、それでは食事にしよう」
二人は向かい合わせで食卓につくと、両手を合わせ、「いただきます」と、声をそろえた。
白飯、大根のみそ汁、イワシの丸干し、だし巻き卵。
どこからどう見てもこれぞ日本の朝食、といったラインナップだ。ニンジャはまず、彼女の作ったみそ汁に口をつけた。寒くなって甘みがまし、ほどよく火のとおった大根はみずみずしく、ていねいに味噌を溶いた汁には、まろやかな塩味がある。鼻腔を抜けていく快い出汁の香りが食欲をさそう。
「うん、いい味だ。そなたは本当に料理上手だ」
「やだわニンジャさんたら。昨日もそれ聞いたわ」
言葉とは裏腹に、うれしさで彼女の頬は少しだけ赤らんでいる。
「そうか。しかしよいだろう、美味いものは美味いのだから」
「ありがとう、うれしいわ。それからだし巻き卵も今朝も絶品よ」
「それはよかった」
やさしく言葉をかえすザ・ニンジャ。笑みを浮かべた彼女の顔を眺め、ふと、思う。
――自分はずい分と変わってしまった。
影に忍び、知略を張りめぐらせ、時に寝首を掻き。人の言動の裏の裏まで読み解こうと、眉間にはいつもシワを寄せていた。
いや、変わってしまったのではない。
変わったのだ、自らの意思で。
正義超人らとの戦いのなかで彼らの理(ことわり)を知り「憎しみと裏切りだけが世界の全てではないのだ」と思いいたった。結果、彼は正義超人に転身し、これまでと異なるやり方で他者と関わりあっていこうと決めた。
「――ニンジャさん、食べないの?冷めちゃうわよ」
「ああ、そうだな」
ニンジャは胸中の物思いなどみじんも感じさせずに応えると、だし巻き卵に箸をのばした。
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書き下ろし 2023.12.01
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