ここに分類不可の三題噺を置きます。
三題噺(白湯の入ったマグカップ、鍵がないのに開いていたドア、どこか冷めた「そうだね」)ワートリ
2025/07/19 16:41焼けて伸びたビデオテープのような映像に私が写っている。マグカップの中の白湯は、飲み干さないと新しいものが注がれることがないようで、途中から飲むことをやめた。私とソファーの間、右から左奥へと当真くんが歩く。
「行っちゃうんだね」
「どっか行っちまうのはお前だろ。俺は知らねぇ」
「……………あのね当真くん」
当真くんは力無く私を見た。疲れたようでため息まで吐かれたが、私の言葉を待っている。
「当真くんと精密射撃を競うのは、楽しかったな」
当真くんはピク、と少し眉毛をあげる。
「だからありがとう、気をつけて帰ってね」
手を振れば、鍵のない壁にぶつからずに消えていく。テレビの上映は終わらない。
「二宮さん」
ザーザーと流れるテレビの音が末恐ろしくなり、脳裏にこびりつく。
「あと二宮さんだけなんです。私が間違っていましたどうか」
『お前には才能がある』
テレビからそんな声が聞こえる。振りはらいたかった、けれども、それをしたら謝罪の場所すら奪われる。自分をきつく抱きしめ体育座りで画面を見る。貴方だけには、なんど詫びても詫び足りない。そう気づいてしまってから、ここには私の出口がない。
「行っちゃうんだね」
「どっか行っちまうのはお前だろ。俺は知らねぇ」
「……………あのね当真くん」
当真くんは力無く私を見た。疲れたようでため息まで吐かれたが、私の言葉を待っている。
「当真くんと精密射撃を競うのは、楽しかったな」
当真くんはピク、と少し眉毛をあげる。
「だからありがとう、気をつけて帰ってね」
手を振れば、鍵のない壁にぶつからずに消えていく。テレビの上映は終わらない。
「二宮さん」
ザーザーと流れるテレビの音が末恐ろしくなり、脳裏にこびりつく。
「あと二宮さんだけなんです。私が間違っていましたどうか」
『お前には才能がある』
テレビからそんな声が聞こえる。振りはらいたかった、けれども、それをしたら謝罪の場所すら奪われる。自分をきつく抱きしめ体育座りで画面を見る。貴方だけには、なんど詫びても詫び足りない。そう気づいてしまってから、ここには私の出口がない。
