ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(月明かりの階段、壊れたコンパス、しゃっくり)

2025/09/19 22:41
ひくっ、ひくっと呼吸が裏返る。月の女神をナンパした罰で、声を半分奪われました。このしゃっくりは、生涯治ることはないようだ。ナンパも出来なくなって、友達もいなくなって。ふと気づいた。オレ、最初からひとりぼっちだったんじゃないかって。人に自分の都合を押し付けてばかりで、なんとなーく人間関係出来てる気でいたかも。ひくっ、ひくっ。泣いてなんかねぇ。泣くほど1人は辛くない。でもそっか。月明かりがオレを導く、その先には螺旋状の階段。呼吸がしゃっくりで乱れてキツい。登りきれば、誰のものでもない満月が輝く。すんませんでした。調子乗りました。心で唱えてお辞儀をする。カシャン、となにかが落ちてきた。音のした方へ探りに行けば、鏡面がひび割れたコンパス。オレのしゃっくりの度、針がぶれる。コンパスが壊れてるって言うのか、オレが壊れてるって言うのか。何を指してるコンパスかもよく分かんねーけど。ポケットにしまった。ひくっ、ひくっ。今はまだ、こいつを治そうとは思わない。自分の薄っぺらさに、しらけたから。もう少し噛み締めたら、コンパスをもう一度見て、目指す方角を確認しよう。女神も最後には、微笑みくらいくれんだろ。

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