ここに分類不可の三題噺を置きます。
三題噺(街灯、雨上がり、背中)2回目
2025/09/13 16:21雨の終わり、雨の雫が街灯からポタリポタリと落ちていく。メガネに当たり、レンズに水滴がはねた。うっとおしくて、メガネ拭きでメガネを拭いて。かけ直したら、絶句した。どこまでも広がる鏡面に、美しい彩雲が映し出されている。足を一歩、踏み出すと波紋が出来る。足は震えて、腰が抜けそうだ。地面に座り込み、手をつくと手のひらが冷たい。そこからも波紋が広がっていく。手のひらを確認すれば、濡れてはいない。声を出そうか迷った。どう、反響するのか。もしくは、響きさえないのか。朝と夜はあるのか。思考が止まりそうなほど回る。眩暈がして、背中をゆっくりと地面につけた。ポタリ、と雨粒がまたメガネにはねた。瞬間、風にめくられる様に鏡面は剥がされて、いつもの道に戻っていた。ゆっくりと起き上がり、頭上を見上げれば、街灯が灯るところだった。PM18:36。風が暖かい。深呼吸をひとつした。またあの彩雲が見たいか、と問われれば。自分の足で辿り着ける場所であれば、と答えるだろう。疲れた。こんな不思議な体験はいらないのに。これで4度目だ。
