ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺「図書室、廃墟、三日月」

2025/09/02 13:31
とにかく窓の多い図書室で、本が日に焼けて傷んでいる。三日月の光の下、限りなく暗闇に近い夜に、ページを開いてやれば、癒されたいと我先に本から文字が逃げていく。星明かりの下、ゆらゆら蝶々のように舞って、割れた窓ガラスからすり抜けていく。廃墟と化したこの星で、どこまであの文字は泳ぐだろうか。消えるまでか、大気圏を抜けて宇宙までか。知る術はない。だからロマンに思いを馳せた。次の本も、俺に読ませる隙も見せず逃げていった。もう人類は、本に愛されてないのだ。

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