ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(翠雨、エレガント、カフェ)※長め

2025/09/01 12:48
よくエメラルドのように鮮やかな緑を、好んで着る人だった。
「恋人が出来たんだ」
柔らかそうに笑うから、素直に祝福した。毎月のこんなカフェタイムも減ってしまうかな、とそれだけが少し不安だった。でも彼女は彼氏のことを私に話したいらしく、そんなことは杞憂だった。しかし、それでも気になったのは彼女の服装の変化だった。エレガントな服が多かったが、緑が減り、エレガントさも崩れていって。それでも、彼氏のことは悪くいうこともなく、泣き言は隠していた。敢えては聞かない。それが大人のマナーと知っていたから。
「瑞穂……」
梅雨時の束の間の晴れ、彼女は私の名前を呼びながら現れて。いつもより服装が乱れてはいるが、彼女らしいエレガントを保った服装だった。いつものカフェに手を引く。彼女はお気に入りのショートケーキと、アイスカフェラテを頼む。思い返せば、黄金比なのと笑って語っていたのが懐かしい。最近はそんな会話も減っていた。ウェイターに注文をして、言葉を探す。
「…………大丈夫?」
「だめかも。もう無理!!」
そこからはもう、翠雨のように青葉色のワンピースを濡らしていった。心の洗濯、サボったせいでそんなことになるのに。エメラルドの手入れは、しっかりしないとダメなのに。
「なんでも話してっ言ったでしょ」
破ったとは言わないけれど、もう少し頼ってくれてもいいんじゃないかしら?鼻をかむ頃、彼女はようやく、
「友季いなきゃダメだぁ私は」
と溢した。そういうこと。変な男に染まっちゃダメだよ?私との関係まで、雨で流そうなんて考えないでね?

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