ここに分類不可の三題噺を置きます。
三題噺(タバコの匂い、忘れたはずの約束、片目が見えない)一次創作
2025/07/19 16:14(今かよ……)
先日の戦闘で傷つけた右目、開いたみたいだ。涙のように血が溢れてきて気持ち悪い。眼帯はもう意味がないから捨てだ。後援の到着まであと50秒。待たなくてもいいわけだろ?じゃあ、奥の手使っておくか。俺は緩やかな所作でタバコに火をつける。あたりは霧のかかった夜のような静けさに包まれる。こういう場所に、あいつらを連れて行けたならよかったんだけどな。
「だーから!俺たち行かなくてもよかったって言っただろーが!おっさん1人で全滅じゃん!」
「晋太郎、落ちついて聞いてね。網代さん三徹なんだよ」
「なおのこと寝かせておいて俺、即出陣!のターンじゃねぇか」
後輩の夫婦漫才が聞こえる。戻ってきた痛覚で感じ取れるのは、おさげのお嬢が優しく頬を撫でていること。
「無理なさいましたね」
「…………まぁな」
「何故いつも、最悪の事態の一歩手前までタバコを吸わないのですか?」
俺は一瞬だけ考えた。どこかに約束、置いてきたのかもしれねぇが。
「そんなの、吸い殻が増えるからに決まってんだろ」
増えていくものが許せなかった。そんな歪な人間の、活かし方がここにしかなかっただけだ。俺は目を閉じた。消したはずのタバコの匂いが香った気がした。
先日の戦闘で傷つけた右目、開いたみたいだ。涙のように血が溢れてきて気持ち悪い。眼帯はもう意味がないから捨てだ。後援の到着まであと50秒。待たなくてもいいわけだろ?じゃあ、奥の手使っておくか。俺は緩やかな所作でタバコに火をつける。あたりは霧のかかった夜のような静けさに包まれる。こういう場所に、あいつらを連れて行けたならよかったんだけどな。
「だーから!俺たち行かなくてもよかったって言っただろーが!おっさん1人で全滅じゃん!」
「晋太郎、落ちついて聞いてね。網代さん三徹なんだよ」
「なおのこと寝かせておいて俺、即出陣!のターンじゃねぇか」
後輩の夫婦漫才が聞こえる。戻ってきた痛覚で感じ取れるのは、おさげのお嬢が優しく頬を撫でていること。
「無理なさいましたね」
「…………まぁな」
「何故いつも、最悪の事態の一歩手前までタバコを吸わないのですか?」
俺は一瞬だけ考えた。どこかに約束、置いてきたのかもしれねぇが。
「そんなの、吸い殻が増えるからに決まってんだろ」
増えていくものが許せなかった。そんな歪な人間の、活かし方がここにしかなかっただけだ。俺は目を閉じた。消したはずのタバコの匂いが香った気がした。
