ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(鍵、鏡、記憶)

2025/08/28 22:42
自分の顔が嫌いだった。鏡を部屋中から追い出したのは、花盛りの歳、両親がちょうどよく立ち去った時になる。そんな私が、恋をして、合鍵を手に入れて。そろりと入り込んだ他所の家、自分の顔が嫌いだったことを忘れて、鏡と鉢合わせ固まった。私が嫌いだと母に泣きついていた顔は、両親と瓜二つ、そっくりなものだった。声もなく泣いた。合鍵を握りしめた。幸せの気配がした。花の盛りは、もう少し続くといいな。

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