ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(金魚鉢、鍵、夏の匂い)

2025/08/24 07:56
金魚鉢に鍵を沈めた。金魚は底まで落ちた鍵を、嗅ぎ分けるように近づいて、すぐに興味をなくした。金魚鉢の縁は恐ろしく真っ青に透き通っていて、どんなに時だけ過ぎようと夏の匂いがした。……もう外に出る望みがないのなら、外の世界への憧れを、鍵と共に封印したかった。金魚もそのうちにひっくり返って、水面に浮かぶ。そうしたら、金魚鉢を割って、手元に鍵が帰ってくる。そうだ、世界は鍵を捨てることを許さない。

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