ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(鍵束、パラソル、渡り鳥)

2025/08/17 10:47
窓辺に置いたパラソルを、散々糞で汚した渡り鳥たちが、何事もなさなかったように南へ飛んでいく。ゆっくり、じわじわと夏が遠ざかる。今年もまた、鍵を開けることは出来なかった。鍵を締めることは、あまりにも容易かった気がするのに。こういうパズルは、得意だと思ってたのにな。鍵束の中、正解が見つからない。パラソルは風に煽られるとどこかへ飛んでいってしまう。渡り鳥の落とし物が嫌で、毎度毎度差し直す。湿っぽい風だ、また嵐がくる。
「俺がなにしたってんだよ」
嵐の中でも、渡り鳥は南を目指していた。自分が濁したもの、見えなくなるくらい高く飛べば、なにも気にせず生きられるのだろうか。俺は、パラソルの影の下、呼吸の仕方を思い出して。それしか出来ないのに、多すぎる鍵束を抱えている。

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