ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(月の裏側、手紙を飲み込んだ動物、鳴らない風鈴)一次創作

2025/08/06 11:04
人待ちの風は、ついぞ吹かなくなった。乾燥した砂埃舞う土地で、月を見上げる。俺は未だに、月の表側と裏側の違いなんて分からねぇ。ただ信じたのは、友達が必ず帰るとひと言残したからだ。最後に届いた手紙は愛犬が飲み込んで、そのせいでくたばった。賢いやつだったから、あの手紙は読まない方がよかったのだろう。あぁ、そうだな。宇宙までまっすぐ飛び上がれる鳥がいれば、俺から便りを出しても良かったな。夢物語だ、あいつがしていたなにもかもが。それでも、また会いたくて待つ。しょーもない土産話を、ウィスキーと一緒に煽りたい。ドアに括り付けた鳴らない風鈴は、来客をいつまでも待っている。

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