ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(サイコロの音、忘れた約束、窓の外の鳥)ワールドトリガー

2025/08/05 15:15
約束ってなんだろう、と嘘吐きの俺が扉に問いかける。バレない嘘、人が傷つかない嘘、そういうのはばっかりなんだけど。やっぱり舌切られる地獄に直行だろうか。
「迅、今どこいる?」
久々に莉子ちゃんと迷子になった。すぐ見つけたけど、莉子ちゃんはケラケラ笑っていて。俺がしょぼくれてるのに気づくと、飛び込んでハグをしてくれた。俺が約束を破るか守るかなんて、サイコロの音で決めちまえって思った。莉子ちゃんと会えば、どーでも良くなって、ぼやけて消えていく。忘れた約束は、忘れたことを忘れてるから大丈夫なんです。それくらい分かれよ、なぁ。
「元気出た?吹っ切れた?」
「どーだろなぁ。吹っ切れるまで、また呼び出していい?」
嘘を吐いたからか、背後の窓でドバトが一斉に飛び立った。あぁもう、なにもかもに意味を見出すのに疲れたってのに。癖は抜けなくて。
「吹っ切れなくとも、いつでも呼んでよ!あそぼ!」
莉子ちゃんは、俺がいて助かっている。俺が退屈を取り上げた子。まぁ取り上げなくても?こんな感じなんだろけど。ひとつくらい、「俺が完璧に導いた」って思いたいじゃない?まぁね、莉子ちゃんじゃないんだけどさ。
「うん、ごめんね。吹っ切れるまで付き合って」
莉子ちゃんの笑みは、温かくて柔らかかった。だから、それでも。莉子ちゃんの優しさは信じていられた。莉子ちゃんが転がすサイコロなら許せた。さあ、明日はどうしようか?窓の外の鳥、捕まえてみる?結局、お花見をして終わるんだけどさ。

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