ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(影のない夜、ミルクティーの温度、笑うはずのない人)

2025/07/29 06:01
影のない夜、新月の夜は、ミルクティーに注ぐ金平糖が探しやすい。六等星のそれを溶かすと、ミルクティーは静かに沸いた。スプーンでひと回しすると、しゃりしゃりとシャーベット状になる。少し硬くしすぎたかな。テーブルを離れて、真白な紙に触れる。結局は、顔も名前も知らなかった人。笑うはずもなかった人の、笑い声だけ頭で反響する。それすら、私が思い描いていただけのこと。でも、こんなふうに詩人のように暮らしていたら、いつかは迎えが来るんじゃないかって。ミルクティーのシャーベットは食べごろになった。特別じゃなくなった私の、望んでいた世界はここにあって。君だけいない。それも10秒後には忘れてしまう世界。でもね、君がいたことだけ、思い出として振り返るから。冷たいこと、言わないでね。

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