ここに分類不可の三題噺を置きます。
三題噺(透明な傘の骨、紙コップのフタ、朝焼けの踏切音)
2025/12/10 21:23初夏、太陽は空を早い時間から焼き始める。真っ赤に彩られた朝日、始発の踏切音。私は眠れずに家を出て、カンカンカンと鳴り渡る踏切音を、どこか他人事のように心の窓枠から外していた。私の命とは、なんなのだろう。測れるものだろうか、誰かが名前をつけるのだろうか。紙コップのように柔い器に、蓋をするような。そんな心持ちで、朝日が少しずつ昇るのを見ていた。紙コップに名前は、まだ書いてない。私の心は泣いているのに、紙コップに水は溜まらない。雨でも降ればと思うが、透明な傘の骨が、実は私には見えている。私が傷つくことを、誰も許さないだろう。それが透明な傘を知るということ。傘の骨を撫でたら、少し心は穏やかになった。始発から次の電車が走っていく。踏切音から遠ざかるため、踵を返す。深呼吸して肩の力を抜いた。学校は、今日は休みでもいいだろう。ジュブナイル。青春の感傷。あといくつ歳を重ねれば終わる?
