ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(午前4時のガソリンスタンド、鍵穴のくもり、欠けたマグカップ)

2025/12/10 09:23
眠れない夜なのに悪魔のようなサウンドを流して、家を飛び出してきた。トラックは継続のまま、愛車である軽に乗る。ガソリンスタンドを探す午前4時。いつも走る道なのに、ガソリンスタンドの場所を思い出せなくて。宛もなく遠くまで走る勇気はなかった。サウンドは気付けば人生讃歌のような柔らかく寄り添うものに流れていた。ふっと涙が溢れて、急速に眠たくなる。ゆっくり安全運転で帰宅して、家の扉の前。くもった鍵穴に鍵を差し込む。上手く差し込めないのはいつものこと。今日は特に酷い。でも、心の波を立たせるほどではなかった。4、5分格闘して、そもそも鍵を閉め忘れたのだと気づく。ダメだなぁ、日常に戻らなくては。部屋に入る。明かりをつければ、欠けたマグカップにカフェオレが残っている。なにがしか半端で、欠けていて、不器用な人生。今度は笑いが込み上げて、首を回した。冷え切ったカフェオレを飲む。あと3時間で自分の朝が始まってしまう。寝ておこう。リビングの電気を消して、寝室のベッドに潜り込んだ。この出来事を忘れるかのように、嘘みたいに眠りについた。悪魔のサウンドは、お気に入りに入れたままだ。……ガソリンは満タンでなくても、職場までは走るだろう。

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