ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(白い手袋、ジャズ、雨上がり)

2025/11/26 22:02
白い手袋の手拍子に合わせて、小気味よくジャズが流れている。楽器には何故か演奏者がおらず、勝手に鳴っている。白い手袋の手拍子は、寸分も狂わない。楽器は心地よく揺れたリズムを刻む。ピアノ、サックス、クラシックギター。ハープがアクセントに高音を奏でる。ピアノのソロは情熱的に、サックスはクールに、クラシックギターは渋くベースラインを支える。白い手袋の手拍子が、静かにフェードアウトしていく。魔法が解けたように、楽器は倒れる。慌てて楽器に傷がないか確認した。そうしていたら、扉のベルが鳴る。
「2名なんですけど、大丈夫ですか……?」
「はい、ご案内します」
お客様は濡れた傘を持っていた。自分だけの魔法に没頭しすぎた。楽器の手入れをそこそこに、カフェの営業をする。雨上がりまで、客は多いだろう。

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