ここに分類不可の三題噺を置きます。
三題噺(鏡の裏側、雨宿り、白い封筒)
2025/11/26 21:44雨宿りに飛び込んだ、古びたバス停の下。時刻表を見ればバスはほとんど来ない。雨上がりを待つしかない。コンビニで買ったペットボトルのお茶、ちょっとしたご褒美のマドレーヌ。雨で下がる気分を、自分で持ち上げる。背もたれが割れたベンチに座る。右を不意に見て、自分と目が合って背筋が凍る。なんだって、こんなところに姿見の鏡なんかあるのか?錆びてひび割れた鏡。不気味だが、無視してマドレーヌを口に含んだ。芳醇なバターの香り。足をふらつかせると、急にバタン!と鏡が倒れる。ひっと声が出た。鏡の裏側は、木が腐っていて雨もあいまって独特な香りがして、咳き込む。鏡の裏側に、白い封筒が張り付いていた。「たすけてください」と書いてある。誰が開封するものか、と目線を外す。鏡にも触れない。そうすると、雨足がどんどんと強くなり、前が見えないほどの土砂降りになる。逃げられないのか?時刻表をもう一度見た。来るはずの13時の便が、今になっても来ない。15時を指した腕時計の針は、気づいた時から逆さに回り出す。発狂しそうだった。声も出ない。過呼吸気味になり、嗚咽で吐きそう。右側を振り向けない。目をぎゅっと閉じた。土砂降りの音が耳に飛び込んで反響して、反響が強くなって、最後。チッと舌打ちが聞こえた。そのあと、急速に世界は戻っていく。鏡は消えた。嘘みたいに晴れて、もう過ぎ去ったはずのバスが来る。
「どちらまで行きますか」
「◯◯駅前まで、市役所経由で行きますよ」
ほっと安心して、バスに乗った。力が抜ける。疲れた。座席に座り、あくびをした。カバンを漁ると。白い封筒。また身体がこわばる。「たすけてください」を、無視出来なくて開くと、紙に殴り書きで、
「それはあんたのさっきの声だよ。つまんねぇ奴」
とだけ書いてある。意識が遠のく。目が覚めたら。駅に着いていた。なんでもう16時近いのだろう?早く帰って動画でも見て過ごそう。
「どちらまで行きますか」
「◯◯駅前まで、市役所経由で行きますよ」
ほっと安心して、バスに乗った。力が抜ける。疲れた。座席に座り、あくびをした。カバンを漁ると。白い封筒。また身体がこわばる。「たすけてください」を、無視出来なくて開くと、紙に殴り書きで、
「それはあんたのさっきの声だよ。つまんねぇ奴」
とだけ書いてある。意識が遠のく。目が覚めたら。駅に着いていた。なんでもう16時近いのだろう?早く帰って動画でも見て過ごそう。
