ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(狐火、黒糖ラテ、交差点)

2025/11/22 09:42
黒糖ラテは冷め切ってしまった。そろそろこの店も出るか。宛もなくカフェを巡る。ドリンクだけ頼んで、物思いに耽る。ぼんやりしていると、人が気づかないなにかの気配を目にすることがある。先ほどは、交差点を狐火が通り過ぎていた。みんなスマホを見て歩いている。赤信号と青信号だけ守って生活する。狂ってしまった人に手を差し出す人は少ない。なんもかんも自己責任。それが絶対の社会のルールとしつつ、他責思考が蔓延っている。黒糖ラテを飲み終える。先ほどの狐火は、誰にも気づいてもらえなくて寂しそうだった。今はどこを彷徨っているだろうか。マグを下げ台に返却して店を出る。
「あら」
ぼやっと光る狐火に出迎えられる。狐火は私に擦り寄るように顔の横にきた。熱くはない。綺麗な青白い炎がくゆる。
「もしかしたら、ほんとに私にしか見えてないかもねぇ」
独り言をひとつこぼして、交差点を渡って。次の喫茶店はどこにしようか?

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