ここに分類不可の三題噺を置きます。
三題噺(夜明けの影、透明な檻、水底の手紙)
2025/10/21 21:32夜が明けて、生命は輪郭を取り戻していく。夜の支配者たちは、そっと影も残さずに寝床に帰る。私は、夜に生きたかった。そう望んだはずなのに、夜明けに影を残して、磔になってしまっている。太陽の光が皮膚を温める。懐かしくて、そっと涙が落ちた。涙は土に染み込んで、土竜の飲み水になるだろう。透明な檻は、流れ落ちる滝のよう。確かに目の前にあり、一歩踏み出せば置いて行けるのに、顔が濡れるのが怖くて動けない。檻の中、どこへも行けない。どこへも行けないけれど、この檻が私を守るためにあることも、知っている。だから置いては行けない。この檻を用意してくれた人が、水底に手紙を書いた。それも知っている。取りには行けないその手紙の中身を、私は知ろうとは思えなくて。薄情者だ。安心の中にいたい、夜は静かで、全てを包んでくれると勝手に思っていた。夜は、闇。夜の中に生きるということは、言うほど甘くはなかった。私は、光の元を生きるべきなのだ。
覚悟が決まったら、顔を洗いながら檻を抜け出して、水底の手紙を迎えに行こう。それが出来るまでは、あといくつの夜を乗り越えよう。生きるとは、選択だ。なにを選んでも、次の選択がある。だから、気軽に肩の力を抜いて。陽の光がそう語りかけるようで、私はまた涙をこぼした。夜明けの影は、跡形もない。
覚悟が決まったら、顔を洗いながら檻を抜け出して、水底の手紙を迎えに行こう。それが出来るまでは、あといくつの夜を乗り越えよう。生きるとは、選択だ。なにを選んでも、次の選択がある。だから、気軽に肩の力を抜いて。陽の光がそう語りかけるようで、私はまた涙をこぼした。夜明けの影は、跡形もない。
