ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(籠の中の感傷、夢のほとり、帰り道の迷い)

2025/10/19 09:29
囚われたと思うのは、自分の言葉の澱。籠の中には自ら入った。入った時の気持ちも誓いも、忘れてしまったが。目に焼きついたように、夢でも同じ景色を見る。それでも夢のほとりなら、籠の中でいじいじと湿った感傷を、捨て去れる。忘れてばかりだね、鶏が鳴いた数だって数えられない。何度夜を、朝を、繰り返して越えても。ここに残るのは、澱んだ自分の心だけ。いっそ燃やしてしまえれば、一瞬でも星になりますか?帰り道にすら、迷う。もうないかもしれない、それの確認すら怖いのだ。
「それでもよかったのに」
這い寄るような恋人の声。恨んでいらっしゃるのね。それもそっか。貴方の愛は、おおよそ綺麗な形と色でした。でも私、満足出来なかった。自分の感傷を撫でて、延々と数え間違える。それのがマシだと、あの時思ってしまったの。もうこれ以上の安息は、訪れない。迎えの来ない部屋で、籠の中。ほら、帰り道があるなんて、少しでも信じてしまったら終いだわ。目を閉じる。夢へ逃げ込んで。同じ景色の中、私は鰭を翻して泳ぎ漂う。籠なんて自分が描いた絵に過ぎないと、笑いながら。泣き笑いながら目覚めたら、また忘れて。最初から感傷を数えるんだ。

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