ここに分類不可の三題噺を置きます。
三題噺(白い傘、約束、踏切)ビー玉男
2025/10/16 17:58なんだって、約束したいことを踏切越しに叫ぶのか。切ないラブロマンスには、よく出てくるシチュエーション。僕なら、踏切をギリギリで飛び越えて、勢いのままに愛する人を抱きしめるよ。電車なんかじゃ引き裂けないよって。
恋人と別れて3ヶ月。特に新しい出会いもない。自殺未遂のサラリーマンを止めたくらい。あの人、面白いんだよな。無理やり名刺を押し付けたら、青い顔をして彼の名刺もくれた。ひび割れたビー玉はまだポケットの中。元カノより、ビー玉の方が、俺の心を映している。もう、あの子には興味がないや。
白い傘が目につく。本当に真っ白な。白って200種類くらいあるんでしょう?その中でも、太陽の光の反射が強く、主張の強い白だ。踏切の向こう、ちらっとこちらを見た。仕方ないから向き直り、踏切が開くのを待つ。
カンカンカンカン
電車が通り過ぎる。風が舞い起こって顔をすり抜けていく。ぬるい刺激。あまり好きではないものとカテゴライズして。白い傘は、動かない。僕の方から歩み寄り。隣に立つ。顔は見ない。
「おぼっちゃま」
婆やの声。僕が生まれてから、まったく声が衰えない。
「下界での暮らしは、窮屈でしょう」
「そう悪くはないよ?」
「お祖父様がお呼びです」
僕は考える。おじいちゃんの顔、覚えてない。空を見上げる。燃えるように真っ赤な夕空。怪異を呼びそうで、おどろおどろしき逢魔ケ刻。僕の横に真っ黒なリムジンが止まった。白い傘が僕と距離を詰める。いいや、まぁ。諦めて、乗り込んだ。
「危険なことは、なされないよう」
運転手の低い声が、耳障りに聞こえる。リムジンが走り出す。帰るのは、いやだ。
恋人と別れて3ヶ月。特に新しい出会いもない。自殺未遂のサラリーマンを止めたくらい。あの人、面白いんだよな。無理やり名刺を押し付けたら、青い顔をして彼の名刺もくれた。ひび割れたビー玉はまだポケットの中。元カノより、ビー玉の方が、俺の心を映している。もう、あの子には興味がないや。
白い傘が目につく。本当に真っ白な。白って200種類くらいあるんでしょう?その中でも、太陽の光の反射が強く、主張の強い白だ。踏切の向こう、ちらっとこちらを見た。仕方ないから向き直り、踏切が開くのを待つ。
カンカンカンカン
電車が通り過ぎる。風が舞い起こって顔をすり抜けていく。ぬるい刺激。あまり好きではないものとカテゴライズして。白い傘は、動かない。僕の方から歩み寄り。隣に立つ。顔は見ない。
「おぼっちゃま」
婆やの声。僕が生まれてから、まったく声が衰えない。
「下界での暮らしは、窮屈でしょう」
「そう悪くはないよ?」
「お祖父様がお呼びです」
僕は考える。おじいちゃんの顔、覚えてない。空を見上げる。燃えるように真っ赤な夕空。怪異を呼びそうで、おどろおどろしき逢魔ケ刻。僕の横に真っ黒なリムジンが止まった。白い傘が僕と距離を詰める。いいや、まぁ。諦めて、乗り込んだ。
「危険なことは、なされないよう」
運転手の低い声が、耳障りに聞こえる。リムジンが走り出す。帰るのは、いやだ。
