ここに分類不可の三題噺を置きます。
蟻生十兵衛初書き※時光青志成り変わり夢
2025/07/22 05:54「なんだお前、蜂楽廻とあんなにはしゃぎ回っていたのに眠れないのか?」
いつもより寝返りを多く打っていた。すると右隣から優しい声がする。顔を向ければ、無表情でいてやさしい眼差しの先輩がいる。
「へへ、ガキみたいでしょ。すんません」
「いいや。俺は二次試験でお前が俺の次にクリアしてきたこと、忘れてはいない」
蟻生さんは長い腕を伸ばして俺の頭に触れ、そのあとに肩口をぽんぽん叩いた。
「明日は勝っても負けても振り出しに戻るだけの試合だ。なにも心配いらない。もし負けが立て込んでも、俺は最後までお前と戦う意志はある」
俺は貼り付けていた笑顔が抜け落ちて、目頭が熱くなった。負けるのが怖い、サッカーで世界へ羽ばたくなんて、考えてもみなかったのに。それでも、負けるのが怖い。ポロポロと泣き出した俺を、そっと胸に抱き寄せて、蟻生さんはぽんぽん背中を叩いた。
「なにがそんなに怖いんだ」
「うぅ蜂楽とも蟻生さんとも、会えなくなること」
「そんなものスマホで一発解決だろ。考えすぎだ」
ふぅ、と蟻生さんはため息を吐いて、身体を離した。俺は元いた自分の布団に戻る。
「挑戦している時のお前は、とんでもなくオシャだ」
「うん?」
「なにも心配せず、ピッチで舞えばいい」
言葉の真意を探っていると、「さっさと寝ろ。おやすみ」と背中を向けられてしまった。俺は天井を眺める。まぁこの地獄、どう足掻いても最後まで蟻生さんがついてきてくれるなら、それでもいいか。
いつもより寝返りを多く打っていた。すると右隣から優しい声がする。顔を向ければ、無表情でいてやさしい眼差しの先輩がいる。
「へへ、ガキみたいでしょ。すんません」
「いいや。俺は二次試験でお前が俺の次にクリアしてきたこと、忘れてはいない」
蟻生さんは長い腕を伸ばして俺の頭に触れ、そのあとに肩口をぽんぽん叩いた。
「明日は勝っても負けても振り出しに戻るだけの試合だ。なにも心配いらない。もし負けが立て込んでも、俺は最後までお前と戦う意志はある」
俺は貼り付けていた笑顔が抜け落ちて、目頭が熱くなった。負けるのが怖い、サッカーで世界へ羽ばたくなんて、考えてもみなかったのに。それでも、負けるのが怖い。ポロポロと泣き出した俺を、そっと胸に抱き寄せて、蟻生さんはぽんぽん背中を叩いた。
「なにがそんなに怖いんだ」
「うぅ蜂楽とも蟻生さんとも、会えなくなること」
「そんなものスマホで一発解決だろ。考えすぎだ」
ふぅ、と蟻生さんはため息を吐いて、身体を離した。俺は元いた自分の布団に戻る。
「挑戦している時のお前は、とんでもなくオシャだ」
「うん?」
「なにも心配せず、ピッチで舞えばいい」
言葉の真意を探っていると、「さっさと寝ろ。おやすみ」と背中を向けられてしまった。俺は天井を眺める。まぁこの地獄、どう足掻いても最後まで蟻生さんがついてきてくれるなら、それでもいいか。
