ここに分類不可の三題噺を置きます。

三題噺(眠り、星、記憶)

2025/10/08 22:49
夜の静寂、鏡面の上。月の見えない新月、星明かりだけが降り注いで波紋を作る。落ちた星のざらつきが足の裏を這って、諦めて膝をつき、その場に横たわる。星の角が肉に引っ掻き傷を作る。うっすら滲んだ血が、水に細い糸を引いて沈んでいく。自分が浮かんでいるのか、水底が浅いのか分からなくて眠れない。名前を呼ぼうとして、こんな寒い場所まで迎えにきてくれるのか不安になり、ひゅ、と息を吸った。自分のぬくもりだけを抱えて、涙を流す。それも水に溶けていく。星のせいでチクチクするのがいい加減嫌になり、身体を起こした。途端、満点の夜空にたくさんの流れ星が駆けた。わぁ、と思わず声が出て。
「ーー!!」
君の名前を呼んだ、一緒に見たかった。途端に世界の端っこから、折りたたむように閉じ込められていく。北極星の目、外の世界から君が私を見てる。私は笑って手を伸ばす。君は熱っぽい眼差しで、北極星に口付けて、私を飲み込んだ。するっと落ちた先は、鏡面の上。そこで燃やされるように記憶が消えていって。夜の静寂。愛しい君は、どこ。

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