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遅刻しても
「悪い、寝坊したわ」
「……絶対寝坊が理由じゃないでしょ」
私の彼氏、水上敏志はよくデートに遅刻する。他の人との約束で遅刻しているのは見たことがない。デートだけ。
「いや、寝坊よ寝坊。そういうことにしといて」
「そうやってすぐはぐらかす……」
遅刻の理由もはっきり話さないのに、都合良く手は繋いでくる。そうして、どこへともなく歩き出す。行き先は知らない。いつも敏志に連れていかれるまま、歩いている。
「もうちょっと弁明してくれてもいいんじゃないの?」
「けど自分、大して怒ってないやろ」
見透かされたような言い分が腹立たしくも思うが、実際そうなのだから仕方がない。黙っていると、敏志は薄く笑った。
「黙って見ないふりしててくれや。あんがとさん」
知らないことの方が多い。化かし上手で甘えん坊。そんな彼から離れられずにいる。
落ち着くと
「…………話、聞いてる?」
「ん?あぁ、悪い。聞いとらんかった」
敏志はよく上の空で空返事をする。伸びを一つすると、頭を掻きながら、私に向き直る。
「悪い悪い。今度はちゃんと聞く」
「……もういいよ」
私がそっぽを向くと、それきり黙り込む。その聡明な頭脳で、私の機嫌を直す方法を探しているんだろうか。
「……隣で考え事して気が散らないの、お前の横くらいなんやで」
ぼそり、と呟く言葉に思わず隣を見る。だから許してと、小首をかしげる彼がいる。
「物は言いようじゃん!聞いてないのに変わりないし」
「せやから、今度から気をつける。だから、今から飯でも行こ」
私が膨れっ面を晒していると、宥めるように手を取って撫でる。
「今日はもう考え事やめるから、堪忍してや」
無気力な顔に困ったように笑みを浮かべるから、いつだって粗方のことは許してしまうのだ。
「悪い、寝坊したわ」
「……絶対寝坊が理由じゃないでしょ」
私の彼氏、水上敏志はよくデートに遅刻する。他の人との約束で遅刻しているのは見たことがない。デートだけ。
「いや、寝坊よ寝坊。そういうことにしといて」
「そうやってすぐはぐらかす……」
遅刻の理由もはっきり話さないのに、都合良く手は繋いでくる。そうして、どこへともなく歩き出す。行き先は知らない。いつも敏志に連れていかれるまま、歩いている。
「もうちょっと弁明してくれてもいいんじゃないの?」
「けど自分、大して怒ってないやろ」
見透かされたような言い分が腹立たしくも思うが、実際そうなのだから仕方がない。黙っていると、敏志は薄く笑った。
「黙って見ないふりしててくれや。あんがとさん」
知らないことの方が多い。化かし上手で甘えん坊。そんな彼から離れられずにいる。
落ち着くと
「…………話、聞いてる?」
「ん?あぁ、悪い。聞いとらんかった」
敏志はよく上の空で空返事をする。伸びを一つすると、頭を掻きながら、私に向き直る。
「悪い悪い。今度はちゃんと聞く」
「……もういいよ」
私がそっぽを向くと、それきり黙り込む。その聡明な頭脳で、私の機嫌を直す方法を探しているんだろうか。
「……隣で考え事して気が散らないの、お前の横くらいなんやで」
ぼそり、と呟く言葉に思わず隣を見る。だから許してと、小首をかしげる彼がいる。
「物は言いようじゃん!聞いてないのに変わりないし」
「せやから、今度から気をつける。だから、今から飯でも行こ」
私が膨れっ面を晒していると、宥めるように手を取って撫でる。
「今日はもう考え事やめるから、堪忍してや」
無気力な顔に困ったように笑みを浮かべるから、いつだって粗方のことは許してしまうのだ。
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