ポートルポ、観察日記
ポートルポはお気に入りの岩の影で、いつも尻尾に包まって眠っている。朝日が差し込むと、たくさん鳥ポケモンがさえずる。虫ポケモンの羽音もかすかに届く。陽の光がポートルポのつるつるとした額を照らして。ぱちぱちと瞬きをして、ポートルポは目覚めた。前足で大きな黒い眼を擦る。くぁ、とあくびをした口の中は歯がずらりと並ぶ。お肉でもきのみでも、なんでも食べられそうな歯だ。
「むんな、おはよう〜」
ポートルポは前半身だけ身体を起こし、後ろ足と尻尾をぺたっと地面につけた姿勢で、しばらく朝の空気を味わっていた。やがて、前足と後ろ足の四足で、真っ白い身体を揺らして歩き出す。ポートルポの背中には、折り重なるように子供の手のひらくらいの鱗が並んでいる。たまに光を反射すると虹色に見える。
「今日の調子はどう?」
バタフリーがポートルポに話しかける。ポートルポは歩みを止めず、バタフリーを見上げた。
「ううよううよー」
「今日はどこに行くの?」
足元でコラッタが訊ねる。ポートルポはコラッタの頭を軽く撫でた。
「んーどぅこうこうかなー。スモトにこなうだズラートたぶさすつもらった!またたぶたう」
アニマダヴのジムリーダーのシモトに、ジェラートを食べさせてもらった、また食べたいと言っている。ポートルポはい段、え段の発音が出来ない。人間ともなんとなく会話になるが、奇妙な幼児語を聞いてるような感覚である。
「庭から出るなら、気をつけて行くんだよ」
タブンネが手を振る。ポートルポは手を振りかえす。
「うん!うってくまーす!」
ポートルポは、自分の庭から出た。ポケモンたちは嬉しそうに見送る。ポートルポの庭は、ポートルポが導かない限り、人間が入り込むことはない。ポケモンたちはなににも怯えず、平和に暮らしていた。
「ふん♪ふん♪ふん♪」
ポートルポは鼻唄を歌いながら、舗装された畦道を歩く。今のポートルポの大きさはちょうどガーディくらい。でも、大きさは日によって変わる。怒るとボーマンダよりも大きくなるとも言われる。ポートルポはこのコウサイ地方で唯一の固有種で、伝説のポケモン。タイプはよく分からない。バトルすることが滅多にないが、火も吹くし電気も走らせるし、泳ぐのも得意。飛んだこともあるし、穴掘りもしたりする。文献にはいろいろと残っているが、結局正体は分からない。
「あ、スモト!」
アニマダヴの街の入り口に、ジムリーダーのシモトがいる。ポートルポはすごい勢いで駆け寄ると、たいあたりとばかりにシモトに飛びついた。
「おっと!」
シモトは来るのは分かっていたが、勢いが強くて尻餅をつく。ポートルポは尻尾振りながら、にこにこと笑う。
「ごめう!だうぞーぶ?」
「いやまぁ、来るの分かってたからなんとか」
シモトは身体を起こし、ポートルポの平たい頭を撫でる。んふー、とポートルポは嬉しそうな声をあげた。
「さ、ぽくぽ!今日はなにして遊ぶ?」
「ズラート!」
「ジェラートだけ食べてると太るぞ〜」
「なんと!つむたうのぬ、へるすーではなうのか!」
「冷たいからヘルシーって法則は初めて聞いたな」
シモトはポートルポを抱き上げて街へ行く。ポートルポは少し身体を小さくした。
「ぽくぽ、今日のフランスパンは1時に焼き上がるよ!」
「ぽくぽ、噴水で水遊びしようよ!」
「ぽくぽ、おばあちゃんが腰を痛めたの。診にきてくれる?」
人々はみな、ポートルポをぽくぽと呼び親しんでいる。ぽくぽは尻尾を振り、片足を上げて振る。
「むんな、おはよー!だーだ!」
ここはポートルポの棲まう地方、コウサイ。ポートルポはポケモンも人間もいない頃から、ここにいたとされる。ポートルポが外界に出て行く時、コウサイ地方には災いが襲うと言われる。それでも、この真っ白な四つ足のポケモンは恐れられることはなく、コウサイ地方の日常に溶け込んでいた。
「ぽくぽ、またチェロの練習したんだ。聞いてくれるかな?」
「うん!くくたう!」
街中で音楽が溢れる。音楽の都、コウサイ。そこに生きる不思議なポケモン、ポートルポ。この物語の舞台は、ポートルポが歌い踏み締めた大地に花咲いた土地。人とポケモンの共存が問われ続ける土地。ぽくぽはチェロに合わせて歌う。今日が誰にとっても平和でありますよう。
「むんな、おはよう〜」
ポートルポは前半身だけ身体を起こし、後ろ足と尻尾をぺたっと地面につけた姿勢で、しばらく朝の空気を味わっていた。やがて、前足と後ろ足の四足で、真っ白い身体を揺らして歩き出す。ポートルポの背中には、折り重なるように子供の手のひらくらいの鱗が並んでいる。たまに光を反射すると虹色に見える。
「今日の調子はどう?」
バタフリーがポートルポに話しかける。ポートルポは歩みを止めず、バタフリーを見上げた。
「ううよううよー」
「今日はどこに行くの?」
足元でコラッタが訊ねる。ポートルポはコラッタの頭を軽く撫でた。
「んーどぅこうこうかなー。スモトにこなうだズラートたぶさすつもらった!またたぶたう」
アニマダヴのジムリーダーのシモトに、ジェラートを食べさせてもらった、また食べたいと言っている。ポートルポはい段、え段の発音が出来ない。人間ともなんとなく会話になるが、奇妙な幼児語を聞いてるような感覚である。
「庭から出るなら、気をつけて行くんだよ」
タブンネが手を振る。ポートルポは手を振りかえす。
「うん!うってくまーす!」
ポートルポは、自分の庭から出た。ポケモンたちは嬉しそうに見送る。ポートルポの庭は、ポートルポが導かない限り、人間が入り込むことはない。ポケモンたちはなににも怯えず、平和に暮らしていた。
「ふん♪ふん♪ふん♪」
ポートルポは鼻唄を歌いながら、舗装された畦道を歩く。今のポートルポの大きさはちょうどガーディくらい。でも、大きさは日によって変わる。怒るとボーマンダよりも大きくなるとも言われる。ポートルポはこのコウサイ地方で唯一の固有種で、伝説のポケモン。タイプはよく分からない。バトルすることが滅多にないが、火も吹くし電気も走らせるし、泳ぐのも得意。飛んだこともあるし、穴掘りもしたりする。文献にはいろいろと残っているが、結局正体は分からない。
「あ、スモト!」
アニマダヴの街の入り口に、ジムリーダーのシモトがいる。ポートルポはすごい勢いで駆け寄ると、たいあたりとばかりにシモトに飛びついた。
「おっと!」
シモトは来るのは分かっていたが、勢いが強くて尻餅をつく。ポートルポは尻尾振りながら、にこにこと笑う。
「ごめう!だうぞーぶ?」
「いやまぁ、来るの分かってたからなんとか」
シモトは身体を起こし、ポートルポの平たい頭を撫でる。んふー、とポートルポは嬉しそうな声をあげた。
「さ、ぽくぽ!今日はなにして遊ぶ?」
「ズラート!」
「ジェラートだけ食べてると太るぞ〜」
「なんと!つむたうのぬ、へるすーではなうのか!」
「冷たいからヘルシーって法則は初めて聞いたな」
シモトはポートルポを抱き上げて街へ行く。ポートルポは少し身体を小さくした。
「ぽくぽ、今日のフランスパンは1時に焼き上がるよ!」
「ぽくぽ、噴水で水遊びしようよ!」
「ぽくぽ、おばあちゃんが腰を痛めたの。診にきてくれる?」
人々はみな、ポートルポをぽくぽと呼び親しんでいる。ぽくぽは尻尾を振り、片足を上げて振る。
「むんな、おはよー!だーだ!」
ここはポートルポの棲まう地方、コウサイ。ポートルポはポケモンも人間もいない頃から、ここにいたとされる。ポートルポが外界に出て行く時、コウサイ地方には災いが襲うと言われる。それでも、この真っ白な四つ足のポケモンは恐れられることはなく、コウサイ地方の日常に溶け込んでいた。
「ぽくぽ、またチェロの練習したんだ。聞いてくれるかな?」
「うん!くくたう!」
街中で音楽が溢れる。音楽の都、コウサイ。そこに生きる不思議なポケモン、ポートルポ。この物語の舞台は、ポートルポが歌い踏み締めた大地に花咲いた土地。人とポケモンの共存が問われ続ける土地。ぽくぽはチェロに合わせて歌う。今日が誰にとっても平和でありますよう。
