刀鍛冶の少女
朝、目が覚めて驚いたことには、私がエースの腕の中にしっかり抱えられ、胸板に顔を埋めていたことだ。とても温かくて、溶かされるように安心する反面、ドキドキと高鳴っていく心臓に困惑し、逃れたい気持ちになる。もぞもぞと身体を動かすが、エースを起こさずに腕の中から離れるのは不可能なようだ。エースの顔をまじまじと見れば、あどけない表情で幸せそうに眠っている。こんな彼を起こすなんて、可哀想だ。いっそのこと、と私は二度寝を決行した。たまには、早起きをやめてもいいだろう。私は、悪い子になりに来たんだから。瞳を閉じて、温もりを存分に楽しんだ。あぁ、ほっとする……。
目が覚めて驚いたのは、俺とアケビが向かい合わせになっていたことだ。近い。近すぎる。心臓の悲鳴と共に、反射で押し退けようとしたが、安心してスヤスヤ眠る寝顔を見て思いとどまった。ああーくそ。可愛い。なんだ、どうしちまったんだろうな俺は。アケビという女の子に、俺は全てを溶かされてぐるぐるとかき混ぜられている感覚だ。それが、嫌じゃない。これが、恋ってことなのか。厄介なもんだ。
「アケビ、おはよう」
自分でも驚くほどに優しい声が出た。起きないアケビの髪をすくい、後ろに流してやる。何回か繰り返しているうちに、ぱちぱちと瞬きをしてアケビが起きた。
「エ、ス? おは、やう」
寝ぼけて舌足らずな話し方に、なんかこう。ギューっと心臓を締め付けられた気分になった。むずむずして、足の指先が勝手に動く。なんか、やばい。俺の中で、何かが切れてしまいそうで。
「おはよう、寝坊助さんだな」
「ち、違いますよ! エース寝てたから、二度寝しただけで……」
朝寝坊の何がそんなに恥ずかしいのか、ほんのり染まったアケビの頬をに、気がつけば触れていた。俺の手よりは冷たいそれが、触れたところから熱を持っていく。
「アケビ、好き」
俺たち以外、誰もいないのをいいことに、俺は少し大胆になる。抑えきれなくて、こぼれる気持ちを言葉にしていく。
「アケビが好きだ、大好き」
もう一度目覚めたら、やけにエースが優しい。いや、いつも優しいけど、それとは比べものにならないというか。ご機嫌でとろけそうな表情から飛び出す、好きという言葉に反応出来なくなる。いつもの私なら、私も! と元気に返事出来るのに。これが、悪い子になるということなのだろうか。
「好きなんだ、なぁ」
「う、あ。えっと、エース」
「好きだなぁ、アケビ」
「や、やめて……ください」
「やめねぇ。好き」
次第に意地悪さも含んだその声に、ギュッと目を閉じて耐えた。流石にエースも申し訳なく思ったのか、やめてくれた。しばらく、そのまま固まっていた。すると、唇に何かがかするように触れる。不思議におもったが、エースの、
「そろそろ起きよう」
の言葉に、目を開いて起き上がった。なんだったんだろう、さっきのエースの言葉も、唇の違和感も。ふわふわとした、不思議な朝だった。
目が覚めて驚いたのは、俺とアケビが向かい合わせになっていたことだ。近い。近すぎる。心臓の悲鳴と共に、反射で押し退けようとしたが、安心してスヤスヤ眠る寝顔を見て思いとどまった。ああーくそ。可愛い。なんだ、どうしちまったんだろうな俺は。アケビという女の子に、俺は全てを溶かされてぐるぐるとかき混ぜられている感覚だ。それが、嫌じゃない。これが、恋ってことなのか。厄介なもんだ。
「アケビ、おはよう」
自分でも驚くほどに優しい声が出た。起きないアケビの髪をすくい、後ろに流してやる。何回か繰り返しているうちに、ぱちぱちと瞬きをしてアケビが起きた。
「エ、ス? おは、やう」
寝ぼけて舌足らずな話し方に、なんかこう。ギューっと心臓を締め付けられた気分になった。むずむずして、足の指先が勝手に動く。なんか、やばい。俺の中で、何かが切れてしまいそうで。
「おはよう、寝坊助さんだな」
「ち、違いますよ! エース寝てたから、二度寝しただけで……」
朝寝坊の何がそんなに恥ずかしいのか、ほんのり染まったアケビの頬をに、気がつけば触れていた。俺の手よりは冷たいそれが、触れたところから熱を持っていく。
「アケビ、好き」
俺たち以外、誰もいないのをいいことに、俺は少し大胆になる。抑えきれなくて、こぼれる気持ちを言葉にしていく。
「アケビが好きだ、大好き」
もう一度目覚めたら、やけにエースが優しい。いや、いつも優しいけど、それとは比べものにならないというか。ご機嫌でとろけそうな表情から飛び出す、好きという言葉に反応出来なくなる。いつもの私なら、私も! と元気に返事出来るのに。これが、悪い子になるということなのだろうか。
「好きなんだ、なぁ」
「う、あ。えっと、エース」
「好きだなぁ、アケビ」
「や、やめて……ください」
「やめねぇ。好き」
次第に意地悪さも含んだその声に、ギュッと目を閉じて耐えた。流石にエースも申し訳なく思ったのか、やめてくれた。しばらく、そのまま固まっていた。すると、唇に何かがかするように触れる。不思議におもったが、エースの、
「そろそろ起きよう」
の言葉に、目を開いて起き上がった。なんだったんだろう、さっきのエースの言葉も、唇の違和感も。ふわふわとした、不思議な朝だった。
