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夢小説設定
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明け方、急にぱちりと目が覚めた。寝ぼけながら時計を見ると、5時36分。まだ太陽も顔を出してない時間だ。なんだろうな、と思いつつ、再びうとうとと眠りにつく。すると、ピンポーンと玄関のチャイムがなった。
「??」
変な時間のチャイムなのに不思議と恐怖は感じなくて、目を擦りながらドアを開けると、年下の恋人の姿があった。
「あれ、哲次だ。おはよう」
「……非常識な時間帯なのに、確認もせずドア開けないでください」
押し殺したような低い声で彼はそう言った。そんな時間に来たのは哲次じゃないか、と寝ぼけた頭で思う。
「うーん、なんか怖くなかったから開けた」
「……意味分かんないです」
「まあ、寒いし上がればー」
哲次はあまり私の部屋には上がりたがらない。けれど、こんな時間に来たのだ、よっぽどのことだろう。入るよう促すと、素直に部屋に上がってきた。
「待っててー今コーヒーでもいれ、!」
リビングに向かおうとすると、無言のまま後ろから抱きすくめられた。背中が暖かい。
「……え、どうしたの」
言えば、腕の力はさらに強まった。少し頭が混乱する。普段、こんな情熱的に抱きしめることなんてないのに。
「…………笑わないで、下さいよ」
「え、え、哲次泣いてる?」
「な、泣いてないです!」
強がったって、その声は涙声で。
「悪い夢を見たんです」
背中越しの、彼の声に耳を傾ける。
「なんか、あきさんが遠征に選ばれて、」
「うん。」
「それで、何故か俺も着いていったんですけど」
「うん。」
「そしたら、あきさん、目の前で、死、んで」
「うん。」
「すげえ、リアルなんです」
「うん」
鼻をすする音が聞こえる。つまりあれか、私が死んだ夢を見て、この男はここまで弱っていると。わざわざ、会いにくる程に。
「ふへへへへ」
「! 笑うなって、言ったじゃないですか!」
「だって、なんか嬉しいんだもん」
頭脳明晰、B級部隊の隊長を務め、剣も狙撃もマスタークラス、完璧超人な荒船哲次が。ただの夢で、私のことで、こんなにも取り乱すなんて。
「幸せだなぁ、哲次にこんなに思われて」
愛しさを感じないわけがない。胸がいっぱいになって、顔はにやつく。振り向いて、哲次の顔を見つめる。目尻の涙を、指ですくった。
「大丈夫、ただの夢だよ」
「……ああ」
「私じゃ遠征なんて選ばれないって」
「うん」
「どこにも行かないから」
「うん」
今日の彼は幼い子供みたいだ。頭を撫でてやれば、私にもたれかかるようにうなだれた。かわいい。
「今から一緒に寝よっか」
「い、や、それは、」
「いいじゃん、私もまだ眠いし」
彼の腕を引き、寝室に向かう。このまま、幸せな夢を2人で見よう。ベットに潜り込み、彼を待つ。
「ほら、おいで?」
「っ、お邪魔、します」
恐る恐るベットに入ってきた哲次を抱きしめ、ゆるゆると頭を撫でる。子供扱いすれば怒る彼が、今日は大人しい。
「おやすみ、哲次」
「…………おやすみなさい」
人肌の温度が心地よい。私は、幸福な惰眠を貪った。
「??」
変な時間のチャイムなのに不思議と恐怖は感じなくて、目を擦りながらドアを開けると、年下の恋人の姿があった。
「あれ、哲次だ。おはよう」
「……非常識な時間帯なのに、確認もせずドア開けないでください」
押し殺したような低い声で彼はそう言った。そんな時間に来たのは哲次じゃないか、と寝ぼけた頭で思う。
「うーん、なんか怖くなかったから開けた」
「……意味分かんないです」
「まあ、寒いし上がればー」
哲次はあまり私の部屋には上がりたがらない。けれど、こんな時間に来たのだ、よっぽどのことだろう。入るよう促すと、素直に部屋に上がってきた。
「待っててー今コーヒーでもいれ、!」
リビングに向かおうとすると、無言のまま後ろから抱きすくめられた。背中が暖かい。
「……え、どうしたの」
言えば、腕の力はさらに強まった。少し頭が混乱する。普段、こんな情熱的に抱きしめることなんてないのに。
「…………笑わないで、下さいよ」
「え、え、哲次泣いてる?」
「な、泣いてないです!」
強がったって、その声は涙声で。
「悪い夢を見たんです」
背中越しの、彼の声に耳を傾ける。
「なんか、あきさんが遠征に選ばれて、」
「うん。」
「それで、何故か俺も着いていったんですけど」
「うん。」
「そしたら、あきさん、目の前で、死、んで」
「うん。」
「すげえ、リアルなんです」
「うん」
鼻をすする音が聞こえる。つまりあれか、私が死んだ夢を見て、この男はここまで弱っていると。わざわざ、会いにくる程に。
「ふへへへへ」
「! 笑うなって、言ったじゃないですか!」
「だって、なんか嬉しいんだもん」
頭脳明晰、B級部隊の隊長を務め、剣も狙撃もマスタークラス、完璧超人な荒船哲次が。ただの夢で、私のことで、こんなにも取り乱すなんて。
「幸せだなぁ、哲次にこんなに思われて」
愛しさを感じないわけがない。胸がいっぱいになって、顔はにやつく。振り向いて、哲次の顔を見つめる。目尻の涙を、指ですくった。
「大丈夫、ただの夢だよ」
「……ああ」
「私じゃ遠征なんて選ばれないって」
「うん」
「どこにも行かないから」
「うん」
今日の彼は幼い子供みたいだ。頭を撫でてやれば、私にもたれかかるようにうなだれた。かわいい。
「今から一緒に寝よっか」
「い、や、それは、」
「いいじゃん、私もまだ眠いし」
彼の腕を引き、寝室に向かう。このまま、幸せな夢を2人で見よう。ベットに潜り込み、彼を待つ。
「ほら、おいで?」
「っ、お邪魔、します」
恐る恐るベットに入ってきた哲次を抱きしめ、ゆるゆると頭を撫でる。子供扱いすれば怒る彼が、今日は大人しい。
「おやすみ、哲次」
「…………おやすみなさい」
人肌の温度が心地よい。私は、幸福な惰眠を貪った。