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本部のラウンジ、標的は待合用のソファーに腰掛けていた。
「ちょっと、出水! 正々堂々勝負しなさいよ!」
「…………またあ?」
このやり取りを何回繰り返しただろうか。目の前の男、出水公平に私は何度もコテンパンにのされている。しかし、私は懲りずに挑戦を続けていた。近界民の撃破数、個人ポイント、ランク戦、勉強や運動のあれこれ……。とにかく、なんでもいい。なにか競えるものを見つけては、彼に挑んでいるのだ。残念ながら、たまに勉強で勝てるくらいで殆どは黒星なのだが。
「今日はなにで勝負するんだよ」
「個人ランク戦よ、ランク戦! 早く早く!」
「ったく、付き合ってやるから泣いて感謝しろよ」
出水を急かしながら、ランク戦のブースへ向かう。なんていったって、今日は秘策があるのだ。今日こそは、絶対に勝ってみせる。
『10本勝負、開始。』
「さあて、ハチの巣にしてやる」
出水は早速戦闘態勢に入る。敵ながら、そのトリオン量には圧巻の一言に尽きる。だが、気圧されては始まらない。
「……メテオラ!」
前方にメテオラを撒き、目隠し。サイドを攻めると見せかけ、そのまま突っ込む。
「バレバレだっての」
出水はそれを読み、お得意のバイパーで全方位攻撃をしてくる。ここだ!
「グラスホッパー!」
「!?」
身体を急加速させ、弾の雨を掻い潜る。そのまま、威力MAXで身体ごとアステロイドをぶちかました。
「射程ゼロで威力に極ぶりするとは思わなかったでしょ?」
ボロボロにひび割れた出水を見下ろし、勝ち誇る。一回しか使えない手だが、我ながら頑張ったと思う。
「……そうだな。あきにしては、よく考えたんじゃねえの」
「ふふん。もっと褒め称えろ」
「じゃあ、特別にご褒美くれてやるよ」
一瞬。出水は私の袖口を思いっきり引き寄せた。
「えっ」
ちゅ。触れ合った、それ。
『出水緊急脱出。1-0、早乙女リード』
アナウンスが遠くに聞こえた気がした。
「ちょ、ちょっと! なにすんのよ!」
「ははは、奪っちゃった」
画面の向こうからくつくつ笑い声が聞こえる。
「俺のこと大好きなあきちゃんにはうってつけだろ?」
顔に熱が集まり暑い。きっと、初めてランク戦をした時に惚れてしまったことなんてこの男にはお見通しなのだろう。
「ちょっと、出水! 正々堂々勝負しなさいよ!」
「…………またあ?」
このやり取りを何回繰り返しただろうか。目の前の男、出水公平に私は何度もコテンパンにのされている。しかし、私は懲りずに挑戦を続けていた。近界民の撃破数、個人ポイント、ランク戦、勉強や運動のあれこれ……。とにかく、なんでもいい。なにか競えるものを見つけては、彼に挑んでいるのだ。残念ながら、たまに勉強で勝てるくらいで殆どは黒星なのだが。
「今日はなにで勝負するんだよ」
「個人ランク戦よ、ランク戦! 早く早く!」
「ったく、付き合ってやるから泣いて感謝しろよ」
出水を急かしながら、ランク戦のブースへ向かう。なんていったって、今日は秘策があるのだ。今日こそは、絶対に勝ってみせる。
『10本勝負、開始。』
「さあて、ハチの巣にしてやる」
出水は早速戦闘態勢に入る。敵ながら、そのトリオン量には圧巻の一言に尽きる。だが、気圧されては始まらない。
「……メテオラ!」
前方にメテオラを撒き、目隠し。サイドを攻めると見せかけ、そのまま突っ込む。
「バレバレだっての」
出水はそれを読み、お得意のバイパーで全方位攻撃をしてくる。ここだ!
「グラスホッパー!」
「!?」
身体を急加速させ、弾の雨を掻い潜る。そのまま、威力MAXで身体ごとアステロイドをぶちかました。
「射程ゼロで威力に極ぶりするとは思わなかったでしょ?」
ボロボロにひび割れた出水を見下ろし、勝ち誇る。一回しか使えない手だが、我ながら頑張ったと思う。
「……そうだな。あきにしては、よく考えたんじゃねえの」
「ふふん。もっと褒め称えろ」
「じゃあ、特別にご褒美くれてやるよ」
一瞬。出水は私の袖口を思いっきり引き寄せた。
「えっ」
ちゅ。触れ合った、それ。
『出水緊急脱出。1-0、早乙女リード』
アナウンスが遠くに聞こえた気がした。
「ちょ、ちょっと! なにすんのよ!」
「ははは、奪っちゃった」
画面の向こうからくつくつ笑い声が聞こえる。
「俺のこと大好きなあきちゃんにはうってつけだろ?」
顔に熱が集まり暑い。きっと、初めてランク戦をした時に惚れてしまったことなんてこの男にはお見通しなのだろう。