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降り注ぐ雨の中、右足を引きずりながら逃げ惑う。低い空を見上げるが、祈る神など私にはいない。代わりに、今までの平凡な、平和な日々を思い出す。
「残念。行き止まりだぜ」
気がつけば、行き止まり。振り向けば、余裕の表情を浮かべる少年がいる。
「あんたに恨みはないけど、上の命令なんでね。黒トリガーを渡してもらおうか」
「早乙女あき」
「は?」
「私の名前だよ。悪いけど、渡すわけにはいかないんだ」
名前を教えたのは、ただの気まぐれだ。この少年に知ってほしいと思った。視線がかち合う。
「……俺は出水公平。渡さないなら、死ぬことになるぜ。あきはそれでいいの?」
大きく息を吐き出し、頷く。カタカタと手先が震える。公平はトリオンキューブを構えた。多分、避けることも耐えることも出来ないだろう。それでいい。もう、諦めた。
「アステロイド」
無数の弾丸が私に降り注ぐ。キラキラして綺麗だ。私を終わりに導く光。シールドはいともたやすく割れ、トリガーの変身が解けても尚、弾丸は私を貫いた。ゆるやかに、ゆるやかに私の世界が崩れ落ちる。ああ、最期にもう一度、青い空が見たかったな。
「……綺麗だな、あき」
血溜まりの中で、公平がそう呟くのを聞いた。表情はもう窺い知れない。なんで、そんな寂しい声をかけるの。
「あり、がとう……、終わらせて、くれて」
「聞こえねぇよ」
最期の言葉は届かなかったが、私は満足して眠りについた。
「残念。行き止まりだぜ」
気がつけば、行き止まり。振り向けば、余裕の表情を浮かべる少年がいる。
「あんたに恨みはないけど、上の命令なんでね。黒トリガーを渡してもらおうか」
「早乙女あき」
「は?」
「私の名前だよ。悪いけど、渡すわけにはいかないんだ」
名前を教えたのは、ただの気まぐれだ。この少年に知ってほしいと思った。視線がかち合う。
「……俺は出水公平。渡さないなら、死ぬことになるぜ。あきはそれでいいの?」
大きく息を吐き出し、頷く。カタカタと手先が震える。公平はトリオンキューブを構えた。多分、避けることも耐えることも出来ないだろう。それでいい。もう、諦めた。
「アステロイド」
無数の弾丸が私に降り注ぐ。キラキラして綺麗だ。私を終わりに導く光。シールドはいともたやすく割れ、トリガーの変身が解けても尚、弾丸は私を貫いた。ゆるやかに、ゆるやかに私の世界が崩れ落ちる。ああ、最期にもう一度、青い空が見たかったな。
「……綺麗だな、あき」
血溜まりの中で、公平がそう呟くのを聞いた。表情はもう窺い知れない。なんで、そんな寂しい声をかけるの。
「あり、がとう……、終わらせて、くれて」
「聞こえねぇよ」
最期の言葉は届かなかったが、私は満足して眠りについた。