longseries-2-
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ボーダー本部に到着すると、随分と忙しなく人が動いていた。漫画で見ているよりも、空気感というものがリアルに伝わり背筋がゾクゾクする。一人一人が、三門市を守るために真剣なのだと分かる。モブと呼ばれるだろうその人たちの、人生を想像するとワクワクしてしまう。
「おい、ボーッとするな。お前はこっちだ」
「あ、すみません……」
三輪くんに先導され、本部の最上階と思われる場所まで来た。廊下長いな。明らかに上層部の会議室、と言った雰囲気の部屋に通される。目の前に、椅子に座った城戸司令がいる。プレッシャーやばい……しかも、三輪くんと司令、私の3人きりなので、味方になってくれそうな人がいない。
「お忙しいところ、失礼します。不審人物を保護しました。どうも一般市民ではないようで……如何しますか?」
「簡単な報告は聞いている……お前から見て、どう思う」
「……正直、よく分かりません。トリガーも持っていないようです。しかし、生身で偵察に来るという可能性もあるのでは」
「そうか……君は? なにか弁明はあるかね?」
視線が私に集まる。さて、どうしようか……嘘を吐いたところで、後々看破されるに決まっている。それなら、包み隠さず、大事なところは伏せて、話を進めるしかないのでは。
「私は……名前を設楽珠莉と言います。どこからやって来たのか、どうやって来たのか、全く分かりません」
「ふざけているのか?」
三輪くん、超冷たい。しかし、そう言われても仕方ないことではあると思う。
「信じてもらえないでしょうが、本当のことです。ここを追い出されては根無し草で、私は行き倒れになるでしょう。どうか、この組織に置いてもらえませんか。なんでもします」
なんでも、出来るかなぁ。不安だが、今は自分が出せる条件を出し切るしかないと考えた。一点攻勢。
「なんでも、か……切実だな。思い出す身内はいないのかね?」
顔色を変えず、城戸司令は話す。けれど、言葉は私をどこか労っているように聞こえた。
「います。……ですが、帰り道も分からないのです」
「それは気の毒なことだな」
心底そう思う、そんな感じだった。不覚にも私は涙しそうになる。しばらくの沈黙の後、城戸司令は私に告げた。
「今は君に構っている時間はない。ひとまず、この建物から出ないことを条件に、保護しよう。それから、君が危険人物でないか、判断させてもらう」
「あ、ありがとうございます!!」
「以上だ、下がりたまえ」
「はい、失礼します。……お前、行くぞ」
頭を下げて、部屋を出た。三輪くんはさっさと歩いて行ってしまう。後を追いかける。
「あの、三輪くん」
「馴れ馴れしい」
「あ、三輪、さん。いいでしょうか」
「なんだ」
「私、設楽珠莉って名前があるんですが……」
「…………」
立ち止まって、しばし視線を交わす。三輪くんの眉間は寄ったままだ。
「設楽。これでいいか」
「あっ、はい……ありがとうございます……」
そのあと三輪くんに連れられて、今度は地下深く潜っていく。忘れ去られてそうな小部屋に、案内された。
「しばらくはこの部屋にいるように。食事は持ってこさせる。勝手に出るな」
「かしこまりました」
幽閉生活、スタートです。
「おい、ボーッとするな。お前はこっちだ」
「あ、すみません……」
三輪くんに先導され、本部の最上階と思われる場所まで来た。廊下長いな。明らかに上層部の会議室、と言った雰囲気の部屋に通される。目の前に、椅子に座った城戸司令がいる。プレッシャーやばい……しかも、三輪くんと司令、私の3人きりなので、味方になってくれそうな人がいない。
「お忙しいところ、失礼します。不審人物を保護しました。どうも一般市民ではないようで……如何しますか?」
「簡単な報告は聞いている……お前から見て、どう思う」
「……正直、よく分かりません。トリガーも持っていないようです。しかし、生身で偵察に来るという可能性もあるのでは」
「そうか……君は? なにか弁明はあるかね?」
視線が私に集まる。さて、どうしようか……嘘を吐いたところで、後々看破されるに決まっている。それなら、包み隠さず、大事なところは伏せて、話を進めるしかないのでは。
「私は……名前を設楽珠莉と言います。どこからやって来たのか、どうやって来たのか、全く分かりません」
「ふざけているのか?」
三輪くん、超冷たい。しかし、そう言われても仕方ないことではあると思う。
「信じてもらえないでしょうが、本当のことです。ここを追い出されては根無し草で、私は行き倒れになるでしょう。どうか、この組織に置いてもらえませんか。なんでもします」
なんでも、出来るかなぁ。不安だが、今は自分が出せる条件を出し切るしかないと考えた。一点攻勢。
「なんでも、か……切実だな。思い出す身内はいないのかね?」
顔色を変えず、城戸司令は話す。けれど、言葉は私をどこか労っているように聞こえた。
「います。……ですが、帰り道も分からないのです」
「それは気の毒なことだな」
心底そう思う、そんな感じだった。不覚にも私は涙しそうになる。しばらくの沈黙の後、城戸司令は私に告げた。
「今は君に構っている時間はない。ひとまず、この建物から出ないことを条件に、保護しよう。それから、君が危険人物でないか、判断させてもらう」
「あ、ありがとうございます!!」
「以上だ、下がりたまえ」
「はい、失礼します。……お前、行くぞ」
頭を下げて、部屋を出た。三輪くんはさっさと歩いて行ってしまう。後を追いかける。
「あの、三輪くん」
「馴れ馴れしい」
「あ、三輪、さん。いいでしょうか」
「なんだ」
「私、設楽珠莉って名前があるんですが……」
「…………」
立ち止まって、しばし視線を交わす。三輪くんの眉間は寄ったままだ。
「設楽。これでいいか」
「あっ、はい……ありがとうございます……」
そのあと三輪くんに連れられて、今度は地下深く潜っていく。忘れ去られてそうな小部屋に、案内された。
「しばらくはこの部屋にいるように。食事は持ってこさせる。勝手に出るな」
「かしこまりました」
幽閉生活、スタートです。