longseries-2-
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今は夏だ。夏だった筈だ。なのに、痛烈な肌寒さで目が覚めた。
「さむっ……えっ寒い!」
起き上がるとタオルケットがはらりと落ちた。しかし、柄が見たことない。ついでに言えば、部屋も知らない場所だ。埃っぽく窓が開け放たれた部屋には、冬の匂いのする風が吹き込んでいた。
「これは……夢? 夢か?」
それにしては、寒さの感覚がハッキリしすぎている気がする。見える景色も、聞こえる音も、だ。どこなんだここは。いささか躊躇したが、確認のために外を目指した。ちなみに、私が起きた部屋は二階だった。私の家に二階はない。玄関につっかけのサンダルがあったので、拝借して外へ。
「暗いな……田舎なのかな?」
辺りを見回す。住宅街が立ち並んでいる様子なのに、人の気配がない。真っ暗で静かで、不気味だった。
ドオーォォォーン
「!? なになになに」
突然轟音が響き渡った。音の方角を見ると、若干明るい。少し視線を上げたことで、見えていなかった物が見える。それは大きな建造物で、かなり見覚えのあるマークを掲げていた。
「…………ボーダー本部、では? あれは」
ボーダー本部だ。界境防衛機関、ボーダーの本部。全体構成員は500人、うち400人はC級隊員で、100人程が正隊員の……ボーダー本部基地だ! 凄いマジテンション上がる! ってそうじゃなくて。
「これは、もしかして。トリップというやつか?」
喜んでいいのか悪いのか。この世界を愛しているのは確かだ。けれど、それはどこまでいっても読者としてで。えっ待って、生きていける? 帰れる? 元の世界には帰るべき? ふらふらと歩きながら、思考にふける。
「動くな! ボーダーだ!」
「!? みっ」
三輪秀次やん!! 油断したー!! この世界で油断なんてしちゃいけなかった。銃を構える三輪くんに、余裕の笑顔の米屋陽介。どこかに奈良坂と古寺も控えているのだろう。
「随分軽装だが、貴様は近界民か?」
「い、いや。ネイバーじゃないです、信じてください」
「タダでってわけにはいかねーよなぁ」
「陽介、油断するな」
「してねーよ。もしかしたら人型かもしれねーし?」
疑われている。当然か、当然だわ。でも、いきなり近界民かを疑うなんて切迫してないか……?
「……わ、私は一般市民です。ここには迷い込みました」
「住所は? 何故わざわざ警戒区域に侵入した」
「住所は……分かりません。どこから来たかも、分かりません」
自分でも交渉失敗したなこれ、と思う。もう少し上手く誤魔化せないのか。
「うわ、怪しすぎるだろ~一周回って近界民じゃないかも?」
「……抵抗する気がないなら、投降しろ。話は本部で聞く」
「よ、よろしくお願いします……」
とりあえず、捕虜コースだね。三輪くんがまだピリピリしてる時期じゃなくてよかった……で、今は原作のいつなんだろうか?
「さむっ……えっ寒い!」
起き上がるとタオルケットがはらりと落ちた。しかし、柄が見たことない。ついでに言えば、部屋も知らない場所だ。埃っぽく窓が開け放たれた部屋には、冬の匂いのする風が吹き込んでいた。
「これは……夢? 夢か?」
それにしては、寒さの感覚がハッキリしすぎている気がする。見える景色も、聞こえる音も、だ。どこなんだここは。いささか躊躇したが、確認のために外を目指した。ちなみに、私が起きた部屋は二階だった。私の家に二階はない。玄関につっかけのサンダルがあったので、拝借して外へ。
「暗いな……田舎なのかな?」
辺りを見回す。住宅街が立ち並んでいる様子なのに、人の気配がない。真っ暗で静かで、不気味だった。
ドオーォォォーン
「!? なになになに」
突然轟音が響き渡った。音の方角を見ると、若干明るい。少し視線を上げたことで、見えていなかった物が見える。それは大きな建造物で、かなり見覚えのあるマークを掲げていた。
「…………ボーダー本部、では? あれは」
ボーダー本部だ。界境防衛機関、ボーダーの本部。全体構成員は500人、うち400人はC級隊員で、100人程が正隊員の……ボーダー本部基地だ! 凄いマジテンション上がる! ってそうじゃなくて。
「これは、もしかして。トリップというやつか?」
喜んでいいのか悪いのか。この世界を愛しているのは確かだ。けれど、それはどこまでいっても読者としてで。えっ待って、生きていける? 帰れる? 元の世界には帰るべき? ふらふらと歩きながら、思考にふける。
「動くな! ボーダーだ!」
「!? みっ」
三輪秀次やん!! 油断したー!! この世界で油断なんてしちゃいけなかった。銃を構える三輪くんに、余裕の笑顔の米屋陽介。どこかに奈良坂と古寺も控えているのだろう。
「随分軽装だが、貴様は近界民か?」
「い、いや。ネイバーじゃないです、信じてください」
「タダでってわけにはいかねーよなぁ」
「陽介、油断するな」
「してねーよ。もしかしたら人型かもしれねーし?」
疑われている。当然か、当然だわ。でも、いきなり近界民かを疑うなんて切迫してないか……?
「……わ、私は一般市民です。ここには迷い込みました」
「住所は? 何故わざわざ警戒区域に侵入した」
「住所は……分かりません。どこから来たかも、分かりません」
自分でも交渉失敗したなこれ、と思う。もう少し上手く誤魔化せないのか。
「うわ、怪しすぎるだろ~一周回って近界民じゃないかも?」
「……抵抗する気がないなら、投降しろ。話は本部で聞く」
「よ、よろしくお願いします……」
とりあえず、捕虜コースだね。三輪くんがまだピリピリしてる時期じゃなくてよかった……で、今は原作のいつなんだろうか?