longseries-2-
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早朝、目を覚ました設楽珠莉は、身体が重くベットから動けずにいた。熱があるのだから、当然ではある。ぼんやりした頭で、携帯端末を開くと新着メールが一件着ていた。差出人は風間さんと表記されている。
『昨晩はありがとう。来てくれて嬉しかった。ちゃんと早めに風邪を治せよ。いってくる』
端的な内容だが、設楽は安心したようで、微笑みと共にまた眠りについた。星明かりが朝焼けに溶けるくらいの時間である。
その後、設楽が目覚めたのは普段の登校時刻を大幅に過ぎてからだ。またメールの新着がある。佐鳥くんと表記されたメールを開きながら、そういえば学校を休むことを伝えていなかったと思い出す。設楽は悪いことをした、と感じながらメールを読んだ。
『朝、いつもの時間にいなかったので、先に学校に行きました。今日はお休みですか? 具合悪いのなら、無理せず休んでください。お大事に!』
ひとつも怒ることなく、こちらの心配をしてくれる後輩に、設楽の心は温まる。ベットに寝転んだまま、返信を打った。
『伝え忘れてごめんね。そうなの、風邪ひいちゃって……佐鳥くんも気をつけてね』
設楽の熱はだいぶ下がり、本人も辛さをあまり感じない程度になっていたが、こじらせてはいけないとまた目を瞑った。しかし、眠気はこない。時計の針の音だけが部屋に響く。退屈だな、と感じたところで、携帯端末が震えた。確認すると、今度は王子一彰の表示。
『おはよう。風邪ひいたんだって? 大丈夫? 君がいないとなんだか寂しいね』
王子は大袈裟だ、と設楽は思う。それはいつものことなので、気にはならないが。
『風邪ひいたー。今は熱下がってきてる。私いなくても、ちゃんと授業受けてね』
『えーどうしようかなぁ。一人で寂しいだろう珠莉りんの為に、お見舞いに行こうかな』
『うつるじゃん、やめときなよ』
いつも学校でしているような、取り止めのないやり取りが続く。始業時間を過ぎ、授業も始まっただろうに。設楽は呆れながらも、王子のメールのお陰で体調不良特有の孤独感に晒されずに済んでいた。
午前10時を過ぎた頃、設楽の部屋に烏丸が来た。彼はスーパーのオープン作業のバイトが落ち着いたので、設楽の両親のお願いで様子を見に来たのである。部屋に入ってくるや、烏丸は起きている設楽に眉をしかめた。
「なんで起きてるんすか……」
「あっとりまるくん、ごめんね。看病なんかさせて」
「それはいいですけど。すり下ろしたリンゴ、飲めます?」
「飲む飲む!」
設楽があっという間にリンゴジュースを飲み干したので、烏丸の表情は少し柔らいだ。
「元気そうじゃないですか」
「うん、おかげさまで。明日には学校行けると思う」
「あまり過信せず、寝ててくださいね。俺は仕事に戻るので」
「あっ手伝いとか、」
「寝てくださいね?」
烏丸の圧がすごいので、設楽は黙るほかなく、大人しくベッドに潜り直した。すると、程なくして眠気がやってきて、設楽はぐっすりと眠ることが出来た。
次に目覚めたのは、午後15時を過ぎてからだった。昼食を摂っていないので、空腹である。両親のいる一階に降りる前にメールを確認すると、新着が3件あった。差出人は王子一彰、米屋くん、荒船くんとある。米屋くんを開けると、
『珠莉さん、風邪らしいっすね。大丈夫ですか? あんま無理すんなよ』
と、書かれていた。荒船くんを開けると、
『ボーダーの回覧板で知った。珠莉の今日の任務、代理で出たからな。安心しとけ』
とのことだった。それぞれの気遣いをありがたく思い、珠莉は一階に降りる前に返信を打った。打ってる最中にも新着メールがあり、これは二宮さんと表示された。
『風邪をひいたらしいな。こじらせないように、あったかくしておけ。早く良くなれよ』
設楽の気分の上では、もう風邪などは吹き飛んでいた。熱が出たのに寂しい思いなど一つもしなかった。ご機嫌で下まで降りると、バイト終わりの烏丸と鉢合わせ、また叱られたのだった。
『昨晩はありがとう。来てくれて嬉しかった。ちゃんと早めに風邪を治せよ。いってくる』
端的な内容だが、設楽は安心したようで、微笑みと共にまた眠りについた。星明かりが朝焼けに溶けるくらいの時間である。
その後、設楽が目覚めたのは普段の登校時刻を大幅に過ぎてからだ。またメールの新着がある。佐鳥くんと表記されたメールを開きながら、そういえば学校を休むことを伝えていなかったと思い出す。設楽は悪いことをした、と感じながらメールを読んだ。
『朝、いつもの時間にいなかったので、先に学校に行きました。今日はお休みですか? 具合悪いのなら、無理せず休んでください。お大事に!』
ひとつも怒ることなく、こちらの心配をしてくれる後輩に、設楽の心は温まる。ベットに寝転んだまま、返信を打った。
『伝え忘れてごめんね。そうなの、風邪ひいちゃって……佐鳥くんも気をつけてね』
設楽の熱はだいぶ下がり、本人も辛さをあまり感じない程度になっていたが、こじらせてはいけないとまた目を瞑った。しかし、眠気はこない。時計の針の音だけが部屋に響く。退屈だな、と感じたところで、携帯端末が震えた。確認すると、今度は王子一彰の表示。
『おはよう。風邪ひいたんだって? 大丈夫? 君がいないとなんだか寂しいね』
王子は大袈裟だ、と設楽は思う。それはいつものことなので、気にはならないが。
『風邪ひいたー。今は熱下がってきてる。私いなくても、ちゃんと授業受けてね』
『えーどうしようかなぁ。一人で寂しいだろう珠莉りんの為に、お見舞いに行こうかな』
『うつるじゃん、やめときなよ』
いつも学校でしているような、取り止めのないやり取りが続く。始業時間を過ぎ、授業も始まっただろうに。設楽は呆れながらも、王子のメールのお陰で体調不良特有の孤独感に晒されずに済んでいた。
午前10時を過ぎた頃、設楽の部屋に烏丸が来た。彼はスーパーのオープン作業のバイトが落ち着いたので、設楽の両親のお願いで様子を見に来たのである。部屋に入ってくるや、烏丸は起きている設楽に眉をしかめた。
「なんで起きてるんすか……」
「あっとりまるくん、ごめんね。看病なんかさせて」
「それはいいですけど。すり下ろしたリンゴ、飲めます?」
「飲む飲む!」
設楽があっという間にリンゴジュースを飲み干したので、烏丸の表情は少し柔らいだ。
「元気そうじゃないですか」
「うん、おかげさまで。明日には学校行けると思う」
「あまり過信せず、寝ててくださいね。俺は仕事に戻るので」
「あっ手伝いとか、」
「寝てくださいね?」
烏丸の圧がすごいので、設楽は黙るほかなく、大人しくベッドに潜り直した。すると、程なくして眠気がやってきて、設楽はぐっすりと眠ることが出来た。
次に目覚めたのは、午後15時を過ぎてからだった。昼食を摂っていないので、空腹である。両親のいる一階に降りる前にメールを確認すると、新着が3件あった。差出人は王子一彰、米屋くん、荒船くんとある。米屋くんを開けると、
『珠莉さん、風邪らしいっすね。大丈夫ですか? あんま無理すんなよ』
と、書かれていた。荒船くんを開けると、
『ボーダーの回覧板で知った。珠莉の今日の任務、代理で出たからな。安心しとけ』
とのことだった。それぞれの気遣いをありがたく思い、珠莉は一階に降りる前に返信を打った。打ってる最中にも新着メールがあり、これは二宮さんと表示された。
『風邪をひいたらしいな。こじらせないように、あったかくしておけ。早く良くなれよ』
設楽の気分の上では、もう風邪などは吹き飛んでいた。熱が出たのに寂しい思いなど一つもしなかった。ご機嫌で下まで降りると、バイト終わりの烏丸と鉢合わせ、また叱られたのだった。