longseries-2-
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身体が重いのは、きっと気分の問題だと思った。一昨日米屋くんと話してから、また引きずるように2人を思い出して。クラクラするのは、きっと私が弱いせいなんだ。悟られないよう、努めて笑顔を振りまいた。泣いたらダメ、泣いたってなにも変わらないわ。幸い、今日防衛任務はない。学校の授業だけこなして、下校する。心なしか、今日は日差しが強くて痛い。ボーッとする思考の中、麟児のことを思い出していた。脳内の麟児は、あの時と同じ言葉を私にかける。
「」
やめて、そんなこと言わないで。イメージを振り払おうと頭を動かしたら、ぐらっと大きく身体のバランスを崩した。転ぶ、そう思ったら誰かに身体を支えられた。
「珠莉先輩、先輩! 大丈夫ですか?」
「…………とりまる、くん?」
とりまるくんの手のひらが、私の額に触れる。冷たく感じた。心地が良い。
「すごい熱じゃないですか……」
「熱……?」
「まさか気付いてなかったんですか?」
そっか、これ。気分の問題じゃないのかぁ。そう思い直すと、急に意識が遠のいていった。
「先輩? 珠莉先輩!?」
暗闇の中で、麟児の足元だけ明るく光っている。こちらに振り返り、先程も聞いた言葉を繰り返した。
「お前には関係ないよ」
なんで、どうして? どうしていつも、そうやって私を突き放すの。
「珠莉はなにもせずに、そこにいてくれたらいい」
嫌だよ、だって置いていくじゃない。
「ごめんな」
待って!!
ハッと息を飲んで、目が覚めた。手は天井に伸ばされたまま、行方がない。
「ここ、は……」
「あ、珠莉先輩。よかった、目が覚めたんですね」
私は見知らぬベットの上にいて、横にはとりまるくんが座っていた。とりまるくんは私の額を撫でた。私は自分の身体が、ひどく汗ばんでいることに気付く。
「風邪だそうです。道端で倒れたの、覚えてません?」
「なんと、なく……」
「先輩のことだから、熱出してたの気付かなかったんでしょう。気をつけてください」
「うん、ありがとう……」
小さなため息の後、とりまるくんはなにかボソッと呟いた。
「? なぁにとりまるくん」
「……いや、なんでもないですよ。少し熱が下がったみたいだし、帰りましょう」
そこでようやく、私の思考回路は現状に追いついた。どうやら私は、とりまるくんに病院へ担ぎ込まれたらしい。
「ご、ごめんとりまるくん! 私……私ったら!」
「どうしました?」
「ごめん、すっごく迷惑かけて……バイトは? 今日うちだっけ?」
「先輩、」
「どうしよう、とりまるくん関係ないのに……私、迷惑を」
「珠莉先輩、落ち着いて」
取り乱す私の両肩を、とりまるくんはしっかり掴んで支えた。端正な顔が間近にある。言葉は引っ込んだ。
「迷惑なんて、思ってません。大丈夫です。ただ、少し怒ってます」
「え、ごめん……どうして?」
「珠莉先輩が、あまりにも健康に無関心だからです。目の前で倒れられた俺の気持ち、分かります?」
いつもより真剣な眼差しが、容赦なく私を貫く。たくさん心配をかけたのだと、認めるしかなかった。
「ご、ごめんなさい……気をつける」
「そうしてください。ほんとに、無理しないで」
しばらく、無言が続く。そうだよね、自分の管理も出来ないなんて、呆れられても仕方ない。ちゃんとしないと。
「ありがとう、とりまるくん。私、帰るね」
「はい、じゃあ送ります」
「えっそんな悪」
「送ります」
プレッシャーが凄くて、二の句は告げなかった。今日のとりまるくん、やっぱり少しイライラしてる気がする。
「…………俺を珠莉先輩の部外者にしないでくださいよ」
「え、うん」
先程より長いため息を吐かれてしまい、私は申し訳なさいっぱいで帰宅した。帰り道、とりまるくんは話してくれなかった。
「」
やめて、そんなこと言わないで。イメージを振り払おうと頭を動かしたら、ぐらっと大きく身体のバランスを崩した。転ぶ、そう思ったら誰かに身体を支えられた。
「珠莉先輩、先輩! 大丈夫ですか?」
「…………とりまる、くん?」
とりまるくんの手のひらが、私の額に触れる。冷たく感じた。心地が良い。
「すごい熱じゃないですか……」
「熱……?」
「まさか気付いてなかったんですか?」
そっか、これ。気分の問題じゃないのかぁ。そう思い直すと、急に意識が遠のいていった。
「先輩? 珠莉先輩!?」
暗闇の中で、麟児の足元だけ明るく光っている。こちらに振り返り、先程も聞いた言葉を繰り返した。
「お前には関係ないよ」
なんで、どうして? どうしていつも、そうやって私を突き放すの。
「珠莉はなにもせずに、そこにいてくれたらいい」
嫌だよ、だって置いていくじゃない。
「ごめんな」
待って!!
ハッと息を飲んで、目が覚めた。手は天井に伸ばされたまま、行方がない。
「ここ、は……」
「あ、珠莉先輩。よかった、目が覚めたんですね」
私は見知らぬベットの上にいて、横にはとりまるくんが座っていた。とりまるくんは私の額を撫でた。私は自分の身体が、ひどく汗ばんでいることに気付く。
「風邪だそうです。道端で倒れたの、覚えてません?」
「なんと、なく……」
「先輩のことだから、熱出してたの気付かなかったんでしょう。気をつけてください」
「うん、ありがとう……」
小さなため息の後、とりまるくんはなにかボソッと呟いた。
「? なぁにとりまるくん」
「……いや、なんでもないですよ。少し熱が下がったみたいだし、帰りましょう」
そこでようやく、私の思考回路は現状に追いついた。どうやら私は、とりまるくんに病院へ担ぎ込まれたらしい。
「ご、ごめんとりまるくん! 私……私ったら!」
「どうしました?」
「ごめん、すっごく迷惑かけて……バイトは? 今日うちだっけ?」
「先輩、」
「どうしよう、とりまるくん関係ないのに……私、迷惑を」
「珠莉先輩、落ち着いて」
取り乱す私の両肩を、とりまるくんはしっかり掴んで支えた。端正な顔が間近にある。言葉は引っ込んだ。
「迷惑なんて、思ってません。大丈夫です。ただ、少し怒ってます」
「え、ごめん……どうして?」
「珠莉先輩が、あまりにも健康に無関心だからです。目の前で倒れられた俺の気持ち、分かります?」
いつもより真剣な眼差しが、容赦なく私を貫く。たくさん心配をかけたのだと、認めるしかなかった。
「ご、ごめんなさい……気をつける」
「そうしてください。ほんとに、無理しないで」
しばらく、無言が続く。そうだよね、自分の管理も出来ないなんて、呆れられても仕方ない。ちゃんとしないと。
「ありがとう、とりまるくん。私、帰るね」
「はい、じゃあ送ります」
「えっそんな悪」
「送ります」
プレッシャーが凄くて、二の句は告げなかった。今日のとりまるくん、やっぱり少しイライラしてる気がする。
「…………俺を珠莉先輩の部外者にしないでくださいよ」
「え、うん」
先程より長いため息を吐かれてしまい、私は申し訳なさいっぱいで帰宅した。帰り道、とりまるくんは話してくれなかった。