longseries-2-
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今日も君はキラキラしているね。
「おはよう、珠莉りん」
「おはよ、王子」
教室に入って、一番最初に挨拶する。僕にとって唯一、特別な女の子。珠莉りんは読んでいた本を閉じ、こちらに笑顔を見せる。それだけでなんか、優越感だ。
「今日はなんのお話?」
「そうだなぁ、今日はーー死に方についてなんてどう?」
「朝から重いなぁ」
苦笑する珠莉りんは、それでも決して僕を否定したり、遠ざけたりしない。珠莉りんといると心地よくて、けれど心臓は生きていると訴え続けて。単純な話、僕は珠莉に恋している。
珠莉りんとは、高校3年間ずっと同じクラスだ。まぁ、入学当初はそんなことになるなんて思わないわけだから、1年生の初めの頃は気にも止めていなかった。彼女にピントが合ったのは、ボーダーの入隊式で案内してくれた女の子と、クラスメートが同一人物であると分かった時だ。
「やだ、気付いてなかったの? 酷いなぁ」
僕の少し非情な部分を、彼女は笑って流してくれた。ちょっと救われた気分になった。
話は変わるけど、僕は幼稚園の頃、女の子みたいに可愛かった。そして、女の子によく取り合いにされた。僕はそれが嫌ではなかったのだけど、時に面倒に思うこともあったし、女の子って怖いなぁ、なんて思った。こちらは純粋に一緒に遊びたいのに、恋愛感情が混ざるとそれは困難だった。だから、珠莉りんに近づくにあたって、僕は確認として質問した。
「好きな人、いたりする?」
珠莉りんは目を丸くした後、ひと言。
「うん、いるよ」
そう、寂しそうに笑った。僕は面食らった。今まで見てきた「恋をしている女の子」は、みんなキラキラした瞳で語ってきたし、僕に気がある女の子は恥じらったりしたから。好きな人のことを、諦めたように、それでいて想い続けているのが分かって、チリっと胸が焦げたのを覚えている。
珠莉とはきっと、友達になれる。男女の友情が成立するのか、検証するなら彼女がいい。そう思った僕は、クラスで珠莉りんとよく行動を共にするようになった。彼女はよく笑う人だったけど、時折影があって、様々な笑顔を持っているのを知った。想い人の話もよく聞いた。いつしか、誰とも知れないその男に、取って代わりたいと思うようになっていた。気付いた時には手遅れだった。どうしようもなく、好きになっていた。
「死に方ねぇ。私は、誰にも見送られたくないかな」
「へぇ。寂しいね」
「そう? ……身近な人であるほど、見るのが辛いと思うから」
あぁ、好き! その自分を後回しにするところ、たまらなく好きだ。甘く溶け落ちる脳内で、恋は盲目なんて言葉がよぎる。けど、なんだっていい。珠莉を感じられる瞬間が好きなんだ。
「辛くても、僕は見届けたいけど」
「えー嫌だよ。やっぱり、誰かの傷になりたくないもの」
「そっかぁ」
どこか覚悟している瞳に、クラクラ。痺れながら、もっと、もっとと欲張ってしまう。珠莉がいるだけで、僕の世界はキラキラと輝いているんだ。
「おはよう、珠莉りん」
「おはよ、王子」
教室に入って、一番最初に挨拶する。僕にとって唯一、特別な女の子。珠莉りんは読んでいた本を閉じ、こちらに笑顔を見せる。それだけでなんか、優越感だ。
「今日はなんのお話?」
「そうだなぁ、今日はーー死に方についてなんてどう?」
「朝から重いなぁ」
苦笑する珠莉りんは、それでも決して僕を否定したり、遠ざけたりしない。珠莉りんといると心地よくて、けれど心臓は生きていると訴え続けて。単純な話、僕は珠莉に恋している。
珠莉りんとは、高校3年間ずっと同じクラスだ。まぁ、入学当初はそんなことになるなんて思わないわけだから、1年生の初めの頃は気にも止めていなかった。彼女にピントが合ったのは、ボーダーの入隊式で案内してくれた女の子と、クラスメートが同一人物であると分かった時だ。
「やだ、気付いてなかったの? 酷いなぁ」
僕の少し非情な部分を、彼女は笑って流してくれた。ちょっと救われた気分になった。
話は変わるけど、僕は幼稚園の頃、女の子みたいに可愛かった。そして、女の子によく取り合いにされた。僕はそれが嫌ではなかったのだけど、時に面倒に思うこともあったし、女の子って怖いなぁ、なんて思った。こちらは純粋に一緒に遊びたいのに、恋愛感情が混ざるとそれは困難だった。だから、珠莉りんに近づくにあたって、僕は確認として質問した。
「好きな人、いたりする?」
珠莉りんは目を丸くした後、ひと言。
「うん、いるよ」
そう、寂しそうに笑った。僕は面食らった。今まで見てきた「恋をしている女の子」は、みんなキラキラした瞳で語ってきたし、僕に気がある女の子は恥じらったりしたから。好きな人のことを、諦めたように、それでいて想い続けているのが分かって、チリっと胸が焦げたのを覚えている。
珠莉とはきっと、友達になれる。男女の友情が成立するのか、検証するなら彼女がいい。そう思った僕は、クラスで珠莉りんとよく行動を共にするようになった。彼女はよく笑う人だったけど、時折影があって、様々な笑顔を持っているのを知った。想い人の話もよく聞いた。いつしか、誰とも知れないその男に、取って代わりたいと思うようになっていた。気付いた時には手遅れだった。どうしようもなく、好きになっていた。
「死に方ねぇ。私は、誰にも見送られたくないかな」
「へぇ。寂しいね」
「そう? ……身近な人であるほど、見るのが辛いと思うから」
あぁ、好き! その自分を後回しにするところ、たまらなく好きだ。甘く溶け落ちる脳内で、恋は盲目なんて言葉がよぎる。けど、なんだっていい。珠莉を感じられる瞬間が好きなんだ。
「辛くても、僕は見届けたいけど」
「えー嫌だよ。やっぱり、誰かの傷になりたくないもの」
「そっかぁ」
どこか覚悟している瞳に、クラクラ。痺れながら、もっと、もっとと欲張ってしまう。珠莉がいるだけで、僕の世界はキラキラと輝いているんだ。