荒船部屋
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どうも、夢書きのふくろうもとい、こちらの世界ではにちゃで通っております。目が覚めたらワールドトリガーの世界に来ていた私は、肉体年齢が17歳に若返り、身長が170cm伸びた代わりに胸がぺったんこになっていました。いろいろと諸問題があるのですが、本日その話は置いておいて、今気になる人とのことをお話させていただきます。
二宮さんがなに考えてるのか分からなすぎる。ものすごく、ものすごーくお世話になってるんですけど、構ってくるのがなんでか分からなすぎて混乱を極めております。なんなのか? 私のこと好きなんですか? なんて自意識過剰な想いを浮かべては掻き消して、振り回されてるうちに私が恋の落とし穴に落ちてたという笑い話。……二宮さんに恋したところで、不毛な気もするのですけど。でも、ワートリ世界で天涯孤独な身の私は、どうしても寂しくなると二宮さんを頼りたくなってしまうのは事実でして。昨晩、怖い夢見たなどと子供みたいなLINEを彼に送ってしまったのです。
そしたら、朝。ボーダー本部にある私の部屋に、二宮さん訪ねてくるじゃありませんか。なんで? わざわざ日曜のオフの日に? 驚きながらドアを開けると、突然二宮さんの両手が私の両頬を包みまして。いや、だからなんで。
「あの、二宮さん?」
「…………」
黙って見つめてくる瞳は、眠そうです。お酒の匂いもする。恐らく、昨日20歳同士で飲んでたと思うので、そのお酒が残ってらっしゃる。とりあえず、部屋に案内しました。といっても、間借りしてるボーダーの部屋はとっても狭くて、シングルベッドに机と椅子くらいしかないのですが。椅子に座ってもらって、私はベットに腰掛けました。沈黙。気がつけば、二宮さんは椅子でうつらうつらと船を漕いでいる。
「二宮さん、ベットで寝ます?」
「ん……」
なんとかなけなしの意識に訴えかけて、ベットに誘導し、寝てもらいました。寝顔……ああ、深く考えないようにしよう、見つめすぎはダメだ。そう思い、今度は私が椅子に移動して、時間を潰すことにしました。
二時間くらい経って、二宮さんが起きました。ゆっくり起き上がって、私を目に入れた瞬間、驚いた顔になりました。
「#にちゃ#……?」
「はい、おはようです」
「……!?」
「私の部屋ですよ。朝、訪ねてきました。覚えてません?」
二宮さんは眉を寄せると、顔に手をあてて俯いてしまいました。そうして、ため息。
「なんで俺はベットに?」
「眠そうだったので」
「そうだな、そうだろうな……」
二宮さんは静かにベットを出ると、その場に正座しました。え?
「すまない、この通りだ」
「え、いやいやいや。なんで土下座してるんですか? 顔上げて……!」
「未成年の女の子の……部屋で寝てしまうなんて、申し開きも出来ん」
「いや、別に、気にしてませんよ」
「俺が気にする。すまない」
それからいくら気にしない、顔を上げてと言っても、二宮さんは土下座をやめてくれなかった。どうしたらいいのか……。
「もう、なに言ったら顔上げてくれるんですか?」
「なにか、償いをさせてほしい」
「そんなこと急に言われてもな……」
私はしばらく考えて、とにかく、二宮さんに負担にならない程度でお願い事をすることにした。
「じゃあ、三つお願い事聞いてください。それでいいですか?」
「ああ、なんでも。俺が出来ることなら」
「ひとつ。匡貴さんて呼んでもいいですか?」
「!?……ああ、構わない、が」
少しでも距離を埋めたいというか、呼んでみたくて。そんな提案をした。二宮さんは不思議そうな顔で了承してくれた。
「ふたつ。今日一日、一緒にいてください。寂しいので」
「分かった」
「みっつ……」
訊くのは戸惑われた。けれど、これだけは知っておきたかったから。
「今、好きな人いますか? 教えてください」
ああ、言っちゃった。しかも、答えを聞いても満足出来るような質問じゃない。二宮さんは、少し目を見開いたあと、答えてくれた。
「いる、と思う」
「……そうですか」
それは、誰なんだろう。今訊けば、それも答えてくれるかもしれないけど、その勇気はない。弱みにつけ込みたくもない。
「はい、みっつ。匡貴さん土下座やめて」
「こんなんでいいのか?」
「いいんです!」
不服そうだけど、二宮さんは立ち上がり、ベットに腰かけた。これで一安心。とんでもないものを見てしまった気がするけど、忘れよう。
「それで、なにがしたいんだ」
「なにが?」
「今日一日、一緒にいるんだろう」
そこまで考えてなかった。でも、まぁ。
「お昼食べに行きます?」
「そうだな。そうしよう」
今日で少しでも、二宮さんとの距離が縮まればいいのに。そう思いながら、出かける支度を始めたのでした。
二宮さんがなに考えてるのか分からなすぎる。ものすごく、ものすごーくお世話になってるんですけど、構ってくるのがなんでか分からなすぎて混乱を極めております。なんなのか? 私のこと好きなんですか? なんて自意識過剰な想いを浮かべては掻き消して、振り回されてるうちに私が恋の落とし穴に落ちてたという笑い話。……二宮さんに恋したところで、不毛な気もするのですけど。でも、ワートリ世界で天涯孤独な身の私は、どうしても寂しくなると二宮さんを頼りたくなってしまうのは事実でして。昨晩、怖い夢見たなどと子供みたいなLINEを彼に送ってしまったのです。
そしたら、朝。ボーダー本部にある私の部屋に、二宮さん訪ねてくるじゃありませんか。なんで? わざわざ日曜のオフの日に? 驚きながらドアを開けると、突然二宮さんの両手が私の両頬を包みまして。いや、だからなんで。
「あの、二宮さん?」
「…………」
黙って見つめてくる瞳は、眠そうです。お酒の匂いもする。恐らく、昨日20歳同士で飲んでたと思うので、そのお酒が残ってらっしゃる。とりあえず、部屋に案内しました。といっても、間借りしてるボーダーの部屋はとっても狭くて、シングルベッドに机と椅子くらいしかないのですが。椅子に座ってもらって、私はベットに腰掛けました。沈黙。気がつけば、二宮さんは椅子でうつらうつらと船を漕いでいる。
「二宮さん、ベットで寝ます?」
「ん……」
なんとかなけなしの意識に訴えかけて、ベットに誘導し、寝てもらいました。寝顔……ああ、深く考えないようにしよう、見つめすぎはダメだ。そう思い、今度は私が椅子に移動して、時間を潰すことにしました。
二時間くらい経って、二宮さんが起きました。ゆっくり起き上がって、私を目に入れた瞬間、驚いた顔になりました。
「#にちゃ#……?」
「はい、おはようです」
「……!?」
「私の部屋ですよ。朝、訪ねてきました。覚えてません?」
二宮さんは眉を寄せると、顔に手をあてて俯いてしまいました。そうして、ため息。
「なんで俺はベットに?」
「眠そうだったので」
「そうだな、そうだろうな……」
二宮さんは静かにベットを出ると、その場に正座しました。え?
「すまない、この通りだ」
「え、いやいやいや。なんで土下座してるんですか? 顔上げて……!」
「未成年の女の子の……部屋で寝てしまうなんて、申し開きも出来ん」
「いや、別に、気にしてませんよ」
「俺が気にする。すまない」
それからいくら気にしない、顔を上げてと言っても、二宮さんは土下座をやめてくれなかった。どうしたらいいのか……。
「もう、なに言ったら顔上げてくれるんですか?」
「なにか、償いをさせてほしい」
「そんなこと急に言われてもな……」
私はしばらく考えて、とにかく、二宮さんに負担にならない程度でお願い事をすることにした。
「じゃあ、三つお願い事聞いてください。それでいいですか?」
「ああ、なんでも。俺が出来ることなら」
「ひとつ。匡貴さんて呼んでもいいですか?」
「!?……ああ、構わない、が」
少しでも距離を埋めたいというか、呼んでみたくて。そんな提案をした。二宮さんは不思議そうな顔で了承してくれた。
「ふたつ。今日一日、一緒にいてください。寂しいので」
「分かった」
「みっつ……」
訊くのは戸惑われた。けれど、これだけは知っておきたかったから。
「今、好きな人いますか? 教えてください」
ああ、言っちゃった。しかも、答えを聞いても満足出来るような質問じゃない。二宮さんは、少し目を見開いたあと、答えてくれた。
「いる、と思う」
「……そうですか」
それは、誰なんだろう。今訊けば、それも答えてくれるかもしれないけど、その勇気はない。弱みにつけ込みたくもない。
「はい、みっつ。匡貴さん土下座やめて」
「こんなんでいいのか?」
「いいんです!」
不服そうだけど、二宮さんは立ち上がり、ベットに腰かけた。これで一安心。とんでもないものを見てしまった気がするけど、忘れよう。
「それで、なにがしたいんだ」
「なにが?」
「今日一日、一緒にいるんだろう」
そこまで考えてなかった。でも、まぁ。
「お昼食べに行きます?」
「そうだな。そうしよう」
今日で少しでも、二宮さんとの距離が縮まればいいのに。そう思いながら、出かける支度を始めたのでした。