荒船部屋
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防衛任務が終わり、いつものように哲次が書類を仕上げるのを待っている。暇だったので、久々に個人ランク戦に顔を出したりして。丁度カゲと鋼くんが空閑くんと鎬を削っていたので、混ぜてもらうことにした。いい勝負になんてなりはしないけど。三人のうち誰からも一本も取れず、自分の未熟さを思い知る。
「おっ前、トロすぎんだよ。もっとキビキビ動け」
「申し訳ありませんね」
一応、スコーピオンの扱いをカゲから教わった事もあり、カゲは私に手厳しい。ブースから出ると、カゲのお小言と、鋼くんの励ましを交互に聞かされる。それを真摯に受け止め聞いていると、ポンっと肩に重みを感じる。後ろを見ると哲次で、右腕を私の左肩に乗せ、寄りかかってくる。
「重いんだけど」
「あー? 聞こえねーな」
腕をどかそうとすれば、今度は左腕を首に回してきて、後ろから抱き止められる形に。哲次が人前でいちゃつくなんて珍しいな、と思いつつ、巻きついた腕に両手で触れた。
「うちのが世話になったな。仕上がりはどうだった?」
「あ? 全然だよ、俺から一本も取れやしねー」
「前よりも動きもよくなってるし、攻撃も鋭かったよ」
「ふーん。まずまずってとこか」
黙っていると、ポンポンと頭を撫でられた。なんだか恥ずかしくて、下を向いてしまった。すると、空閑くんと目があった。
「あらふねさんと早乙女さんは、付き合っているのか?」
「えっと……」
そんなことを改めて聞かれるとは思いもせず。戸惑っていると、哲次の抱き締める力が強くなった。
「ああ。付き合ってるぜ。羨ましいだろ?」
嬉しそうな声で自慢なんてするから、こちらの体温は上がる。離れようと試みるも、がっちりと捕まえられて逃げられやしない。心なしか、ギャラリーの視線も痛い。
「ちょっと、哲次」
「なんだよ、なんか間違ったこと言ったか?」
「そうじゃないけど、場所が」
「ふーん? 場所を選べばいいんだな?」
嫌な予感がした。今日はどうやら、ご機嫌モードで意地悪がしたいようだ。カゲや鋼くんに助けてと視線を送ってみたが、そんなもの犬も食わないといった顔で、
「じゃ、俺たち邪魔そうだから帰るわ」
「じゃあな、荒船、あき」
とそそくさと離れていく。空閑くんもそれを見て、二人について行ってしまった。最後に小声で、
「お幸せにな!」
と言って。ああ、もう。恥ずかしい。軽く哲次を後ろ蹴りすると、クスクスと笑い声。
「蹴ることないだろ?」
「いつもは人前でくっつくと、怒るくせに」
「いつもは、な。今日は別だ。俺が仕事してる間に他のやつといちゃつきやがって」
「いや、ランク戦してただけだし……」
「それに、大画面でお前が野郎共に見られてたとなると、牽制しときたいからな」
「考え過ぎだって」
私のこめかみにキスを落とすと、哲次は私の手を引いて歩きだした。きゅっと哲次の手を握り返し、私も歩く。哲次も恥ずかしかったのか、耳が赤くなってるのが見えた。
「無理しなくてもいいのに」
「なんのことか分かんねーな」
ほんと、かっこつけで気分屋なんだから。ため息を吐きつつ、大好きな彼に身を寄せた。照れ臭そうに早足になる哲次に、やっぱり無理してたんだなと笑ってしまう。
「帰るぞ」
「はーい」
当たり前に一緒に帰れることが嬉しい。今日は寒いが、二人でいればなんとかなるだろう。
「おっ前、トロすぎんだよ。もっとキビキビ動け」
「申し訳ありませんね」
一応、スコーピオンの扱いをカゲから教わった事もあり、カゲは私に手厳しい。ブースから出ると、カゲのお小言と、鋼くんの励ましを交互に聞かされる。それを真摯に受け止め聞いていると、ポンっと肩に重みを感じる。後ろを見ると哲次で、右腕を私の左肩に乗せ、寄りかかってくる。
「重いんだけど」
「あー? 聞こえねーな」
腕をどかそうとすれば、今度は左腕を首に回してきて、後ろから抱き止められる形に。哲次が人前でいちゃつくなんて珍しいな、と思いつつ、巻きついた腕に両手で触れた。
「うちのが世話になったな。仕上がりはどうだった?」
「あ? 全然だよ、俺から一本も取れやしねー」
「前よりも動きもよくなってるし、攻撃も鋭かったよ」
「ふーん。まずまずってとこか」
黙っていると、ポンポンと頭を撫でられた。なんだか恥ずかしくて、下を向いてしまった。すると、空閑くんと目があった。
「あらふねさんと早乙女さんは、付き合っているのか?」
「えっと……」
そんなことを改めて聞かれるとは思いもせず。戸惑っていると、哲次の抱き締める力が強くなった。
「ああ。付き合ってるぜ。羨ましいだろ?」
嬉しそうな声で自慢なんてするから、こちらの体温は上がる。離れようと試みるも、がっちりと捕まえられて逃げられやしない。心なしか、ギャラリーの視線も痛い。
「ちょっと、哲次」
「なんだよ、なんか間違ったこと言ったか?」
「そうじゃないけど、場所が」
「ふーん? 場所を選べばいいんだな?」
嫌な予感がした。今日はどうやら、ご機嫌モードで意地悪がしたいようだ。カゲや鋼くんに助けてと視線を送ってみたが、そんなもの犬も食わないといった顔で、
「じゃ、俺たち邪魔そうだから帰るわ」
「じゃあな、荒船、あき」
とそそくさと離れていく。空閑くんもそれを見て、二人について行ってしまった。最後に小声で、
「お幸せにな!」
と言って。ああ、もう。恥ずかしい。軽く哲次を後ろ蹴りすると、クスクスと笑い声。
「蹴ることないだろ?」
「いつもは人前でくっつくと、怒るくせに」
「いつもは、な。今日は別だ。俺が仕事してる間に他のやつといちゃつきやがって」
「いや、ランク戦してただけだし……」
「それに、大画面でお前が野郎共に見られてたとなると、牽制しときたいからな」
「考え過ぎだって」
私のこめかみにキスを落とすと、哲次は私の手を引いて歩きだした。きゅっと哲次の手を握り返し、私も歩く。哲次も恥ずかしかったのか、耳が赤くなってるのが見えた。
「無理しなくてもいいのに」
「なんのことか分かんねーな」
ほんと、かっこつけで気分屋なんだから。ため息を吐きつつ、大好きな彼に身を寄せた。照れ臭そうに早足になる哲次に、やっぱり無理してたんだなと笑ってしまう。
「帰るぞ」
「はーい」
当たり前に一緒に帰れることが嬉しい。今日は寒いが、二人でいればなんとかなるだろう。