荒船部屋
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哲次が一人暮らしを始めて、私が入り浸るようになって、結構経つ。お付き合いも、それなりの長さになってきた。今私は哲次の部屋で、彼のお勉強が終わるのを待っている。珍しく読書なんかをしながら。目下の課題は、哲次が忙しい時間の、有効活用だったりするので。重苦しい話題の読書に、堪らずひとつため息を吐いた。
「ため息吐くと、幸せ逃げるぞ」
「本当にそう思ってらっしゃいます?」
「いや……そんな真剣に考えたことはねぇけど」
哲次は器用だなと、思う。勉強に集中していると見せかけて、こちらの様子にも気を配ってくれているのだと感じられて、素直に嬉しい。
「けど、好きな奴が重々しくため息吐いてたら、心配になるだろ」
「日課みたいなものです」
「おう、減らそうぜそれは」
遂には、哲次から勉強を引き剥がしてしまった。私のため息そんなに威力があるのか。哲次は勉強をやめて、こちらにやってきて私を胡座に乗せて抱きしめてくれる。私はお人形のようにされるがままだ。
「なんだ、なにが心配だ?」
「……世界の平和?」
「お前、たまに大きく出るな?」
「世界の真理に興味がありまして」
「考え過ぎんなよな。お前が元気ないと俺は悲しいんだからな」
「素直でよろしい」
「こいつ……!」
ヘッドロックをかけられ、身体を揺さぶられる。可笑しくて二人して笑った。ああ、幸せだなと思う。またため息が出た。
「こら、なんでまたため息吐くんだよ」
「幸せが溢れ出るので?」
「なら、まぁ。よろしい」
哲次がいる限り、ため息を吐いたところで、それくらいの幸せは埋め合わせてくれる。だから、なにも心配していることはない。哲次の胸に顔を寄せる。力強く脈動する心音を聞く。この音が消えないうちは、私も命を燃やすことを誓おう。
「ずっと一緒にいるよ、哲次が離れていかないのなら」
「ん、絶対離さないから安心して傍にいろ」
近づく顔に目を閉じる。素直に愛を確かめ合えるようになったのは、私と彼の成長の証かと思う。そりゃ、ため息くらい出るよ。なんて。
「ため息吐くと、幸せ逃げるぞ」
「本当にそう思ってらっしゃいます?」
「いや……そんな真剣に考えたことはねぇけど」
哲次は器用だなと、思う。勉強に集中していると見せかけて、こちらの様子にも気を配ってくれているのだと感じられて、素直に嬉しい。
「けど、好きな奴が重々しくため息吐いてたら、心配になるだろ」
「日課みたいなものです」
「おう、減らそうぜそれは」
遂には、哲次から勉強を引き剥がしてしまった。私のため息そんなに威力があるのか。哲次は勉強をやめて、こちらにやってきて私を胡座に乗せて抱きしめてくれる。私はお人形のようにされるがままだ。
「なんだ、なにが心配だ?」
「……世界の平和?」
「お前、たまに大きく出るな?」
「世界の真理に興味がありまして」
「考え過ぎんなよな。お前が元気ないと俺は悲しいんだからな」
「素直でよろしい」
「こいつ……!」
ヘッドロックをかけられ、身体を揺さぶられる。可笑しくて二人して笑った。ああ、幸せだなと思う。またため息が出た。
「こら、なんでまたため息吐くんだよ」
「幸せが溢れ出るので?」
「なら、まぁ。よろしい」
哲次がいる限り、ため息を吐いたところで、それくらいの幸せは埋め合わせてくれる。だから、なにも心配していることはない。哲次の胸に顔を寄せる。力強く脈動する心音を聞く。この音が消えないうちは、私も命を燃やすことを誓おう。
「ずっと一緒にいるよ、哲次が離れていかないのなら」
「ん、絶対離さないから安心して傍にいろ」
近づく顔に目を閉じる。素直に愛を確かめ合えるようになったのは、私と彼の成長の証かと思う。そりゃ、ため息くらい出るよ。なんて。